※分解整備・実写確認済レンズを準備ができ次第追加出品中です。よろしければ出品リストからご覧ください。
○出品物は以下の3点です。
・FUJINON 55mm F1.6
・フロントキャップ(FUJICA)
・MC UVフィルター(Kenko)
※前玉表面の保護用に使用できる劣化の少ないものです。
・しぼり開放時に独特の背景ぼけが発生します。出品中の個体と同型別個体で撮影した実写例をも多数参照できるようにしてありますので、商品写真及び後述の実写例を置いたリンク先でご確認ください。
・同型のレンズは距離環の先端等にひび割れが発生しているものが多く見られます。一方で全体が樹脂成形でできたひび割れが簡単に発生しないタイプのものも存在します。出品した個体は後者のタイプです。
・FUJINON 55mm F1.6は輸出用のモデルだったようで国内では流通数が少なく等での出品数がわずかしかありません。
・このレンズはM42マウントですが、マウントアダプターを選択する際には注意が必要です。詳細は商品説明の後段に記述しています。
・フォーカスリングの操作感を改善するためにCOSINAがヘリコイドラッピングと呼んでいる方法を参考にして同等の作業手順でヘリコイドの溝を研磨しました。この方法の詳細については、以下のリンク先に説明(pdfファイル)を置きました。
※参考までに商品写真に,この個体による実写例を入れましたのでご確認ください。実写例はSONY α7RⅡによるもので、すべてフルサイズ画像です。これらを含めた高解像度画像の実写例を以下のリンク先で確認できます。任意の画像を選択後「オリジナルを表示」または「ダウンロード」にすると,4240万画素の画像を部分拡大して見ることができます。また,ここでは商品の詳細画像も確認できます。
※こちらは私が撮影した実写例よりもレベルが高く、とても神秘的なぼけが出ている作品が多数閲覧できるサイトです。
【外観及びレンズの状態】
・コーティングの反射光は全面にわたってムラがなくきれいです。
・前玉表面に拭き擦れが複数見られます。実写結果への影響はほとんど感じられませんが、暗闇の中の明るい点光源を撮影すると光源の周りに通常より多くの光条が写ります。絞り羽根が5枚のレンズの場合は長めの光条が5本と短めの光条が5本の計10本の目立つ光条が発生します。出品個体による光条の実写例の参照先。→32.jpg ・カビ、くもり、バルサム切れなどは見られず全体的に透明度の高い光学系です。
・文字やマークもは鮮明で見やすくきれいです。
・レンズの外観は美品だと思います。前述のリンク先にこのレンズの高解像度画像がありますのでそちらもご確認ください。
【可動部の状態】
・フォーカスリングは全周にわたって一定の手応えでスムーズに回転します。逆転時の遊びはなくピント合わせを正確にできます。ヘリコイドにラップ研磨処理を行ったため、回転時に指先にざらつきやトルクむらなどの違和感が伝わってくることはありません。
・このレンズはマウントアダプターに装着してマウント部のピンが押し込まれた状態になると、距離環の操作に伴い内部から異音を発生するものが多く見られます。これは故障ではありませんが、出品中の個体でも異音がわずかにありましたので、この異音を軽減するための整備を行いほとんど感じないようにしています。
・絞り羽根に油の付着はなくきれいです。
・絞り羽根の動作はFUJICA ST-801ボディに取り付けて確認しましたが,シャッターに連動して迅速に開閉しました。
・絞りリングはクリック感が良く、軽い力でスムーズに回転します。
・フォーカスリングおよび絞りリングの操作感は、多くの方に良好だと感じていただける状態に整備できていると思います。
【このレンズの特徴等】
・前述のような独特の背景ぼけが発生することが大きな特徴だと思います。
・流通する個体数が少ないウルトラレアレンズであるため情報量が少なく、知名度が小さめですが、このレンズの描写には人気があるようです。YouTubeでこのレンズ名を検索すると動画での実写レポートが複数出てきますので参考になると思います。
・X-FUJINON 50mm F1.6というレンズもありますがこのレンズの光学系は全く別物です。
【分解整備の内容】
・内部のレンズ面に付着していたチリや汚れなどを可能な限り清掃した結果、クリアな状態になったと思います。商品写真中のレンズ背後からライトで照らした画像をご確認ください。
・フォーカスリングのヘリコイドに使用されていたグリスが黒っぽくなり劣化していましたので、きれいに除去しました。さらにヘリコイドの溝の中までラップ研磨と呼ばれる方法で磨き上げ,溝の奥にたまった細かな汚れを取り除くとともに表面をより平滑にしました。その後,粘度が適した新しいグリスを隙間なく充填しました。
・前述の距離環の操作に伴って発生する異音を軽減するため異音発の生源になっている部品の表面研磨により部品表面の凹凸を平滑化しました。これにより、これらの部品が互いに擦れ合う際の引っ掛かりをほぼなくしました。
・内部のレンズ面に付着していたチリなどを可能な限り清掃しました。
・フォーカスリングのヘリコイドに使用されていた古く汚れたグリスを除去し、ヘリコイドの溝の中までラップ研磨と呼ばれる方法で磨き上げ,溝の奥にたまった細かな汚れを取り除くとともに表面をより平滑にしました。その後,粘度が適した新しいグリスを隙間なく充填しました。この処理の結果、フォーカスリングを回転させた際に手ごたえのムラはなく、大変スムーズに回転するようになっています。また、ざらつきなどの違和感が指先に伝わることもありません。
・個々の部品に分解した際に水洗可能な部品はすべて洗剤による洗浄を行いました。表面に付着した水溶性の汚れや不要な油分を除去しました。
・洗浄後の部品はヘリコイド鏡筒も含め超音波洗浄機で処理しました。
・絞りは絞り羽根およびそれを挟み込む部品をすべてベンジンで洗浄しました。
・最近はフィルムカメラの需要が増えていることがニュースでも取り上げられていました。私の無限遠調整はすべてそのレンズを使用する前提で製造されたフィルムカメラに装着して正確に行っています。出品中のレンズはFUJICA ST-801ボディに取り付けて距離環を無限遠側いっぱいに回した位置で星や月面にピッタリとピントが合うように調整しています。マウントアダプターを介してミラーレス一眼で使用した場合は多くの場合わずかにオーバーインフ(無限遠マークのわずかに手前で無限遠にピントが合う)になり無限遠にはピントが合わせることができる状態になるはずです。
・無限遠調整時の被写体は(1)明るい恒星、(2)恒星と同じ結果になるように調整した無限遠コリメーター、(3)約200m先にある鉄塔のいずれかで調整時に利用可能なもので行っています。無限遠コリメーターは口径10.2cm焦点距離1200mmのアポクロマート天体望遠鏡(PENTAX 100ED)の接眼部にピンホールと光源を取り付けたものです。また、調整時にはカメラボディーに自作の高倍率マグニファイアを装着して確認しています。(1)~(3)のいずれで調整しても全く同じ結果になることを確認しています。
※ミラーレス一眼にマウントアダプターを介して取り付けた場合は、そのマウントアダプターの設計や工作精度によって無限遠位置が異なります。多くの場合はオーバーインフになることを確認しています。これは、マウントアダプターを使用した際に確実に無限遠が出せるように余裕を持たせてた設計にしているためだと思います。オーバーインフ気味になるマウントアダプターに取り付けて無限遠を精密に調整してしまうと、その時使用したものでしか正確な無限遠が出ないだけでなく、多くの場合そのレンズを本来のフィルムカメラに取り付けた時には無限遠にピントが合わないことになります。
【適合するマウントアダプターについて】
私はこのレンズをM42マウント用のマウントアダプターを使用してミラーレス一眼に取り付けています。この場合、マウントアダプターはFUJINONのM42マウントに対応するものを選んで使用する必要があります。FUJINONのM42マウントレンズには絞り環からマウント部に小さな突起が出ています。そのために、この突起と干渉しない構造になったM42マウント用のアダプターが必要です。私が使用しているのはK&F ConceptのM42マウント用アダプターです。このアダプターはマウント面が2段構造で外周部が低くなっているため絞り環の突起が干渉しません。また、このマウントアダプターはピン押しタイプにもなっています。ピン押しタイプ以外では絞りが開放のままになってしまします。前述の実写例を置いたリンク先に関連画像(19.jpg)を置きました。 フィルムカメラで使用する場合はFUJICAだけではなくPENTAX SP等のM42マウントカメラでも取り付け可能です。ただし、FUJICA以外では開放測光に対応しません。
※私が所有しているK&F ConceptのM42マウント用アダプターはピン押し用のリングまでの奥行きが大きめになっているため、ピンの押し込みが不十分となり最小絞りがやや開き気味になる場合があります。この状況の改善のために必要に応じてピン押し部に厚紙をリング状に切り抜いたものをセットすることで奥行きを減らして使用しています。
☆お願い☆
・オークションの終了後48時間以内に支払いを完了していただける方のみの入札をお願い致します。
・この期限が過ぎた場合は補欠落札者に連絡を取る,または,再出品のため「落札者都合にて削除」させていただきます。
・このレンズは,入手した時点で既に中古品でした。新品と同等の品質を希望される方にはご満足いただける状態とは言えません。また分解整備についても個人の趣味のレベルで行っているものでプロによるものではありません。入札される場合はそのことをご了承くださいますようお願い申し上げます。商品写真と実写例をじっくりご確認いただいた上で入札をご検討ください。
【送料】
・「レターパックプラス」送料600円、または、ゆうパックおてがる版60サイズで発送致します。
※まとめて取引について
・詳細は以下のヘルプページでご確認ください。この条件を満たす場合はまとめて取引の対応が可能です。ヘルプにも記載されていますが,まとめて取引を行うためにはまとめたい商品をすべて落札後取引を開始する必要があります。
・まとめて取引は最大72時間以内の落札物に適用されますが,同一日以外のオークションでまとめて取引をご希望なさる場合は取引メッセージ欄からその旨をお伝えください。こちらからその可否についてご連絡をいたします。最初にご落札いただいた商品の取引開始前でもメッセージ欄から連絡を取り合うことは可能です。