①聖徳太子
6世紀後半、日本がまだ「倭国」と呼ばれていた時代。
大和朝廷の支配者である豪族たちが権力闘争に明け暮れる中、歩むべき国家像を模索した若者がいた。
誰もがその名と偉業を知りながら、その人間像は謎に包まれている「聖徳太子(厩戸皇子)」の実像に、壮大なスケールで迫る。
【収録内容】
■前編
西暦585年、新羅から一人の武将・伊真が倭国へ渡る。鍛冶部として時の権力者・蘇我馬子に仕えることになった伊真は、不思議な魅力を持つ少年・厩戸皇子と出会い親しくなる。一方で、馬子と物部守屋の権力争いが激化する。
馬子は額田部皇女と図って泊瀬部皇子を大王に定め、守屋が擁立する穴穂部皇子を暗殺する。ここに至り、馬子と守屋の争いは全面対決へとなだれ込む。厩戸も馬子の軍勢に加わり、戦闘に巻きこまれるのだった。厩戸と伊真の活躍により馬子軍が勝利を収めるが、戦闘の悲惨さは厩戸の心に深く突き刺さる。今や実質的な最高権力者となった馬子の元に百済から使節が訪れる。使節は単なる親善目的ではなく、新羅との勢力争いに加勢を求めにきたのだった。
■後編
新羅出兵が決定する。しかし、戦闘の悲惨さを痛感した厩戸は貧民救済事業をしながら、出兵を止める策を練っていた。出兵が開始されると、馬子は邪魔になった大王・崇峻天皇(泊瀬部)を暗殺する。王位は額田部が引き継ぐことになるが、額田部は厩戸に摂政に就くよう依頼する。新羅からの撤兵を条件に、厩戸は引き受ける。こうして国政に参画することになった厩戸は早々に隋に使者を送るが、相手にされない。国家整備が急務と悟る厩戸だが、再び新羅への出兵を図る馬子と対立していく。
②大化改新
中臣鎌足と蘇我入鹿の友情と裏切り、そして悲劇的な結末に至る愛憎の物語。
7世紀、理想郷を求めて改革に燃えた若者達がいた。「大化の改新」という史実の裏で語られる事のない、中臣鎌足と蘇我入鹿の友情と裏切り、そして悲劇的な結末に至る愛憎の物語。
【収録内容】
■前半 『青春の飛鳥』
西暦636年。弱小豪族の息子・中臣鎌足と時の権力者、蘇我氏の後継ぎ・蘇我入鹿は、同じ学堂に通う大親友だった。権力争いに明け暮れる大人たちに反発し、正義ある国づくりを誓い合う二人は、共に幼なじみの車持与志古に恋をする。入鹿は与志古に求婚するが、与志古は純粋さを失わない鎌足に惹かれる。やがて、鎌足と与志古は結婚し、飛鳥を離れ、三島の地で農作業に勤しむ日々を送る。一方、入鹿は父・蘇我毛人から政治の実権を奪い、敵対勢力である聖徳太子の息子・山背大兄皇子の討伐を計画する。正義を見失った友を鎌足は体を張って止めるが、入鹿は山背一族を討ち滅ぼす。
■後半 『友への誓い』
山背大兄皇子を討伐した蘇我入鹿は、独裁者として朝廷に君臨。中臣鎌足は野に下り、高徳の学者・南淵請安と出会う。鎌足は、飢えや病に苦しむ民衆の救済活動に献身する請安に心酔し、彼の活動を支える中大兄皇子と意気投合する。しかし請安は蘇我氏の独裁を糾弾するだけでなく、理想を唱え民衆の絶大な支持を受けたことから、入鹿によって反逆の罪で捕らえられ処刑を言い渡されてしまう。 西暦645年6月12日。民衆を忘れた入鹿の国づくりを止めるため、鎌足はかつての親友・入鹿を倒し、中大兄皇子と共に「大化改新」への道を開く。
リサイクル材を使用させていただきます。