Jhen Aiko
Souled Out
中古盤
輸入盤
デスティニーズ・チャイルドやB2Kのプロデュースで有名なクリス・ストークスが運営するT.U.G.(The Ultimate Group)出身の女性R&Bシンガー。名前でひょっとすると思われる方もおられるかもしれませんが,実は母親が日本人とアフリカ系アメリカ人のハーフ。本人は日系クォーターということになるようです。昨秋,EP「Sail Out」でデビューしていたのですが,この度,デビュー・アルバムをリリースしました。
EPの時も,哀感を帯びたメロディーに浮遊感のあるサウンド,物憂げで繊細な歌声と,独特の雰囲気がありましたが,本作でもその雰囲気は継承されています。ジャケットのデザインそのままの浮遊感があって幻想的な1枚です。
深い海の底から浮かび上がってくるかのような神秘的なサウンドで幕を開ける「Limbo Limbo Limbo」。メランコリックで幻想的なサウンドの上を,物憂げな歌声が頼りなげに漂います。全般的にマイナー調の物悲しいメロディーを,繊細な歌声で静かにしっとりと歌い上げたバラードが多く,砂地に水が浸透するように,深く静かに胸に染み込んでいく・・・そんな心地良さがあります。「Wading」や「You VS Them」,孤高を感じさせる「To Love & Die」あたりがその好例です。
もちろん,メランコリックな曲ばかりではなく,穏やかに緩やかに流れるメロウ・チューン「Blue Dream」,深夜の街角を一人さまよっているかのようなミステリアスな「The Pressure」といったナンバーもありますし,「It’s Cool」は,タイトルそのままにクールなミッドテンポで,マイナー調でニヒルなメロディーを囁くように歌い上げています。
そんな中でも,秀逸は,「Brave」と「Eternal Sunshine」でしょうか。いずれもバラードなんですが,「Brave」は,風に舞って遠くへ消えてしまいそうな歌声と,ホーンも交えた物悲しいサウンドが何とも哀しいナンバー。続く「Eternal Sunshine」では,一転して,気品あふれるピアノが奏でる木漏れ日にも似た穏やかで柔らかなサウンドが心地良いナンバーです。ちなみに「Promises」では,実娘Namikoのあどけない歌声も。EPもアルバムも海のイメージが強いんですが,Namikoって,「波」から取っているんですかね。
アルバムのイメージを色で表すと,灰色がかった青色もしくはブルーブラックなんですが,どんより落ち込むというわけでもなく,不思議と心地良いアルバムで癒されます。他に類を見ない個性的で摩訶不思議なサウンドで,お薦めです。