つぶら瞳の君ゆえに、うれいは蒼し空よりも、嘆きは深し海よりも…
かげろうのように薄倖な生涯を閉じた愛と美の珠玉篇!!
薄倖の運命を背負った少女の悲恋を、芦川いづみがあまりにも儚く美しく演じた初期代表作!名匠・滝沢英輔監督作品。
特典
■映像特典(予定)
・フォトギャラリー収録
・「日活映画」(貴重な公開当時の冊子)より芦川いづみ関連ページのデータ収録
■音声特典
・芦川いづみ特別インタビュー収録。(2018年収録、リリースタイトルについて語った特別インタビューを音声収録。聞き手:佐藤利明(娯楽映画研究家))
■特典仕様
・ジャケット裏面には、劇場公開時のポスターデザインを入れこんだ「特別両面刷り」仕様!
(劇場ポスターが現存しないタイトルは、両面刷りではありません。)
・ピクチャーディスク仕様
■芦川いづみについて
日活の戦後黄金期を代表する名女優。東京市滝野川区田端町生。1952年、松竹歌劇団付属松竹音楽舞踊学校に入学。翌年ファッション・ショーに出演中、居合わせた松竹の川島雄三監督に認められ、川島監督の『東京マダムと大阪夫人』(1953)に月丘夢路の妹役でデビュー。1955年日活に移籍した川島監督の推薦で松竹歌劇団を退団し日活に入社。清潔で親しみのある美しさと幅広い役をこなす演技で日活を代表するスターとして人気を得る。「和製オードリー・ヘップバーン」とも呼ばれ活躍した。1968年、藤竜也と結婚して女優を引退。絶頂期での引退により、ファンの間で神格化され、現在でも熱狂的なファンをもつ。
清楚可憐な美しさと親しみやすい笑顔、日活黄金期のスター・芦川いづみは絶頂期の引退によって「永遠の恋人」として映画ファンの胸にきざまれている名花だ。名匠・川島雄三監督に見いだされてから「デビュー65周年」となる節目を記念して送る、ファン待望のDVDシリーズ!芦川いづみ本人の協力の下に、これまで熱望されながらリリースされることが無かった芦川いづみ作品が遂にDVD化。
「佳人」は生まれながらに悲しい運命を背負った清廉無垢な少女と、彼女を思い続ける青年との純愛を、戦中戦後の混乱した時代を背景に描いたメロドラマ。薄倖の佳人の生涯を、渾身の演技で演じきった、芦川いづみ初期ヒロイン映画の代表作!
マキノ正博、山中貞雄らとの共同作業で知られる名匠・滝沢英輔監督が格調高い演出で描き、「画面から気品と香りが漂ってくるような、限りなく哀しく、限りなく美しい愛の物語に仕上げようと自負しています(プレスシートより)」という言葉通りに、ヒロイン芦川いづみがひたすら儚く美しい名篇だ!
共演は葉山良二、金子信雄、渡辺美佐子、牧真介、村瀬幸子、宇野重吉、山岡久乃、等。本シリーズでは、芦川いづみの最新特別インタビューを全作品に収録し、貴重なギャラリー等豪華特典、HDリマスターによる完全保存盤!
ストーリー
昭和十八年秋、招集令状を受けた大学生のしげるは、入隊する前に一目でも心に思う佳き人に逢いたいと郷里へ向っていた。その人の名はつぶらといった。山陰地方の城下町、もと藩の典医にふさわしく格式高いたたずまいを見せた家。晴れた日も雨の日も、あの人は窓の前に坐って家の表を眺めていた。
つぶらは小児麻痺だった。小学生のしげるは、窓辺の肱掛け椅子に行儀よく坐るつぶらの傍で、よく蓄音機をかけて彼女と遊んだ。つぶらに嫉妬を感じていた豆腐屋の娘・時江は、ある日しげるを氏神の暗い本殿の中に誘いこんだ。この事はしげるのつぶらへの無垢の思いに、ある翳を落としたのだった。中学から大学へと成人しても、不幸な佳人・つぶらへの純愛は変わることが無かった。
列車は郷里の町へ着いた。入隊前にやっと逢えた二人は、幼い時からの慕情をうちあけられぬまま別れるのだった。苛烈な戦争は終った。しげるが復員した日、つぶらは花嫁衣裳の着付も終り、母親に抱かれて車に乗るところだった。それはさながら生ける花嫁人形のようなあでやかさだった…。
キャスト
■葉山良二
■芦川いづみ
■金子信雄
■渡辺美佐子
■牧真介
■村瀬幸子
■宇野重吉
■山岡久乃
スタッフ
■監督:滝沢英輔
■製作:芦田正蔵
■原作:藤井重夫
■脚本:棚田吾郎
■撮影:高村倉太郎
■音楽:斎藤一郎
■美術:松山崇
■編集:辻井正則
■録音:神谷正和
■照明:大西美津男