『Surrounded By Silence』(「静けさに囲まれて」の意)というタイトルは『Bedroom Producer Gone Wild』(「ベッドルームのプロデューサーはワイルドになる」の意」)に変えたほうがいいかもしれない。ラップトップサウンドの錬金術師プレフューズ73(スコット・ヘレン)について崇敬すべきは、RJD2やディプロのように高度な技術で、ビョーク・ファンやバックパック・ラップ支持者、プルート育ちがあこがれるようなめったにない音の風景をつくるという点ではない。そういう音の実験があまりうまくいかなかった時にはどうなるだろう? トラックとトラックの間にいくらか密接な関係が感じられた『Vocal Studies And Uprock Narratives』とは違い、このアルバムでプレフューズはコラボレーションにややこだわりすぎ、さまざまなジャンルから10人以上ものゲスト・ヴォーカリストやMCを迎え、芳しくない結果となっている。ゴーストフェイスとデフ・ジャックスのエル・Pのきわめて珍しいデュオが「Hideyaface」に参加してくれているが、ヘレンの音の氾濫で集中力に欠けて聴こえるし、マスター・キラーとGZAが景気づけしてくれている「Just The Thought」にしても同様だ。『Surrounded By Silence』はヘレンの願望だったRZAやデフ・ジャックス(エイソップ・ロックとビーンズもゲストとして参加)を好きなように使っていいという免許状だったのか? もしかしたら、そうかもしれない。だが、ヘレンが自分が一番いいと思うことに熱中した時は、きらびやかな音のコラージュを構築し、手当たり次第に何でもデジタル化して、ゴージャスなものが出来上がる。「Expressing Views Is Obviously Illegal」や魅惑的なバンジョーが入った「Pagina Dos」では、まさにプレフューズという電子音のリズムが聴ける。彼がそのビートを目立ちたがりのニューヨークのエレクトロ・インディー・ロッカー、On!Air!Library!のクラウディアとアレハンドラのデヘサ姉妹と組み合わせた「Pastel Assasins」や、ブロンド・レッドヘッドのカズをフィーチャーした「We Go Our Own Way」などは、ずっといい仕上がりだ。むらもあるが刺激的なアルバムではある。お試しあれ。
1. I've Said All I Need To Say About Them Intro
2. Hydeyaface feat. Ghostface and El-P
3. Bad Memory Interlude One
4. Ty Versus Detchibe feat. Tyondai Braxton
5. Expressing Views Is Obviously Illegal
6. Pastel Assassins feat. Claudia + Alejandra Deheza
7. Pagina Dos feat. Brooks
8. Silencio Interlude
9. Now You're Leaving feat. Camu
10. Gratis (Pedro Versus Prefuse)
11. We Go Our Own Way feat. Kazu (Blonde Redhead)
12. Mantra Two feat. Tyondai Braxton
13. Sabbatical With Options feat. Aesop Rock
14. It's Crowded feat. Claudia Deheza
15. Just The Thought feat. Masta Killa + Gza
16. La Correccion Exchange feat. D.J. Nobody
17. Hydeyaface Reprise (Reminder Version)
18. Morale Crusher feat. Beans
19. Minutes Away Without You
20. Rain Edit Interlude
21. And I'm Gone feat. Prefuse Versus Piano Overlord Versus Broadcast Versus Cafe Tacuba
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