
武田将明著、「100分de名著 『デフォー; ペストの記憶』」です(NHK出版、2020年9月刊)。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。
★内容: 17世紀ロンドンに起きたペストの大流行は、市民の暮らしと社会を一変させた。家屋閉鎖で機能停止する経済、人々の間に飛び交うデマ情報、富める者と貧しい者に生まれた格差、迫りくる第二派の感染拡大・・・・。当時のロンドン市民が見えざる恐怖の中でとった行動は、新型コロナ禍を生きる私たちのそれと驚くほど変わらなかった! 『ロビンソン・クルーソー』で知られるデフォーが膨大な資料をもとに遺した記録文学を、わかりやすく現代にひも解く。
パンデミックにどう向き合うか? デフォーはペストを単に肉体的な病気として見るのでなく、その精神的な影響に注目。パンデミックを前に人々はどのように心の安定をはかるべきか入念に記す。また、主人公はペストを逃れるため田舎に疎開するか、商売のためロンドンに残るかを悩む。疫病のまん延を防ぐこと、経済活動を維持することの矛盾ははたして解決できるのか? 現代も人々の直面する問題と重なる。 また本作では、ロンドン行政府の手際よい対処を記す一方、感染者の封じこめや逃亡者への厳しい措置などの悲劇を記す。市民の身体を管理する行政府の政策はどこまで有効で、どんな問題をはらんでいるのか?成功や失敗を検証しつつ政治のあり方を問いかける。 さらに、これらをいかに後世の記憶に残すべきか?考え抜いたデフォーは、リアルな記録文学ながら、あえてフィクションの形態も取り入れた作品を書きあげていく。
★ダニエル・デフォー(Daniel Defoe、1660 - 1731年)は、イギリス、ロンドン生まれのジャーナリスト、小説家。メリヤス商、煉瓦製造業、税務吏などの職を転々とした後、国教会を冷罵する論文(The Shortest Way with the Dissenters)を書いて投獄された。出獄後、週刊誌(The Review)を発刊し、ジャーナリズムの草創期に重要な貢献をした。1719年、59歳にして初めての小説『ロビンソン・クルーソー(Robinson Crusoe)』を発表。大評判となり、以降、『モル・フランダーズ(Moll Flanders)』、『疫病流行記(A Journal of the Plague Year)』、『ロクサーナ(Roxana)』など多数の傑作を残した。
★著者、武田将明は1974年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学系研究科を経て、ケンブリッジ大学でPh.D.を取得。法政大学准教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は18世紀イギリス小説。2008年に「囲われない批評 東浩紀と中原昌也」で群像新人文学賞評論部門を受賞し、日本の現代文学についても旺盛に批評活動を繰り広げている。訳書にデフォー『ペストの記憶』、同『ロビンソン・クルーソー』、サミュエル・ジョンソン『イギリス詩人伝』、共著に『イギリス文学と映画』、『イギリス文学入門』、『『ガリヴァー旅行記』徹底注釈 注釈篇』など。
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