徴兵検査に携わった戸長・医師等資料です。長崎（佐賀）県第二五大区副戸長北島貞辞令です。大区（小区）とは、明治５年に効率的な行政のために町村を再編したもので、長崎県第廿五大区とは、当時の松浦郡紐差村（現平戸市）に当ります。辞令②の「徴兵引纏小倉分営へ出張」とは、小倉には旧歩兵第二十六大隊が屯在していましたが、同大隊を基幹に明治８年４月１日歩兵第十四聯隊が編成されます。４月２０日には八年度徴兵が入営するので、その付添いと考えられます。「徴兵議員水島良三」の職は、「徴兵令」第一章第六条に「区長或ハ戸長ヲ以テ之ニ任ス人員ハ大抵其検査スル所ノ区数ニ倍ス公文ヲ布達シ民情ヲ上伸スル事ヲ掌ル」と規定されています。水島良三は、第六十四大区の戸長です。　①第廿五大区小頭　北島貞　第廿五大区副戸長申付候事　明治７年7月９日　長崎県　②第廿五大区副戸長　北島貞　今般徴兵引纏小倉分営へ出張申付候事　但日限ノ儀ハ徴兵議員水島良三ヨリ打合候筈ニ付不都合無之様可取計事　明治８年４月１４日　長崎県の２点です。　福島県徴兵検査民間医師　近藤省三辞令　４枚です。　①近藤省三　本年徴兵検査傭医申付候事　明治１２年２月　福島県　②近藤省三　徴兵下検査医員申付候事　明治１２年１２月１１日　福島県　③近藤省三　徴兵下検査傭医申付候事　明治１３年１１月１１日　福島県　④医　近藤省三　臨時検疫傭差免候事　明治１５年９月２９日　菊多/磐前/磐城　郡役所　⑤医員助手　近藤省三　娼妓黴毒検査掛兼務申付候事　明治１３年１２月２日　福島県　①の「徴兵検査傭医」とは、改正「徴兵令」（明治８年１１月５日太政官布達第１６２号）第９条に「府県ノ撰ヲ以テ命ス人員ハ其検査スル所ノ区数ニ准シ軍医ニ従ヒ其土ニ生スル所ノ疾病ヲ具状シ兼ネテ検査ノ事件ヲ記録ス」と規定されています。②③に「徴兵下検査」とあるのは、当時、徴兵検査は二段階で実施され、その前段階に当ります。「徴兵下検査医員」や「徴兵下検査傭医」とあるのは、改正「徴兵令」（明治１２年１０月２７日太政官布達第４６号）第２１条に規定する「地方徴兵医員」に該当すると思われます。その職務は、「地方長官ノ撰ヲ以テ命ス人員ハ概ネ八十乃至百名ニ一人トス徴兵身体ノ下検査ヲナシ又徴兵医官ノ指揮ニ従ヒ検査ノ事件ヲ記録ス」と規定されています。近藤は、「医籍」に専門科が「産婦人児科」とあることから、娼妓の診察を行ったと考えられます。本文下の追加写真もご覧ください。ヤマト運ネコポス急便で、全国一律２１０円でお送り致します。円滑にお届けするために、出荷はヤマト運輸に限らせていただいています。「新規」又は１桁の評価の方は、終了２４時間以上前に御落札の意志を質問蘭からお入れください。意思表示が無かった場合は、他の御入札の方々に御迷惑をかける場合が多いので、落札後でも削除刺させていただきます。御入札中の方で、「新規」又は１桁評価の方の入札妨害を受けていると感じた方は、御質問蘭で御連絡下さい。回答しますとその方のIDが表記されますので、無回答で対処いたします。