
ご覧いただきありがとうございます。
レトロチョコレートのウェブサイト
『20年前のチョコレートのメニュー』の管理・運営をしています。ひろと申します。
終活の一環として、
長年収集してきたパッケージコレクション約5,000点を、
次世代のコレクターさまのお手元に届けるため、順次出品してまいります。
どうぞよろしくお願い致します。
【商品】
グリコパイルチョコレートのパッケージ1個
チョコレートはありません。
パッケージのみの出品です。
【発売年】
1960年(昭和35年)
【コンディション】
経年にスレ、剥がれ、角の折れ跡等があります。60年以上前の紙箱としては良いと思います。外装は保護のために透明フィルムで包まれています。また、潰れた形跡があるため、パッケージの中にダンボールを入れて形状を保持しています。展示・撮影・研究資料に最適です。
【説明など】
1960年。
日本はまだ東京オリンピックを4年後に控え、街のあちこちで杭を打ち、
鉄骨を積み上げ、夢を形にしようとしていた時代。
その年、江崎グリコが送り出した新しいチョコレートが、この「PILE(パイル)」です。
“PILE”とは英語で「積み重ねる」「杭(くい)」「層を成す」という意味。
建築の世界では「パイル基礎」といえば地中深くに打ち込まれた家を支える杭を指し、
ファッションの世界では「パイル生地」といえば、糸を立てて織り上げた柔らかな布地を意味します。
硬いものを支える力と、柔らかいものを立ち上げる美。
この相反する二つの「PILE」を、グリコは甘さの世界でひとつに重ね合わせました。
パッケージは、当時のグリコ製品の中でも特にモダンなデザイン。
背景のオレンジとブラウン、中央には立体的に浮かび上がる“PILE”の文字。
右手には「Glico」の刻印入りチョコレートが描かれ、チョコの断面に再現された「ホワイト層」の存在を暗示していました。
当時の資料は少ないものの、形状から見て「二層チョコレート」だったと推定されます。
上層と下層がダークチョコで、その間にホワイトチョコまたはクリーム状の層を挟み込んだ構造。
それはまるで建築物の層構造のようであり、
同時にファッションのパイル生地のように柔らかな立体感を感じさせます。
名前の「PILE=積み重ねる」を、味覚と造形の両面で体現した、極めて意欲的な製品でした。
1950年代後半から60年代初頭にかけて、日本のチョコレート業界は一気に近代化の波を迎えます。そんな中、グリコはより“立体的”“構造的”なデザインを追求していました。
「PILEチョコレート」はまさにその象徴。
味を積層し、構造で魅せ、時代の進歩をデザインで語るという、
昭和モダンデザインの息吹を感じる一品です。
また、パッケージの「走るグリコマーク」は旧型の細身スタイルで、
企業ロゴの過渡期を示す貴重な資料でもあります。
側面には「30円」の印字。
当時の一般的な板チョコが20円前後だったことを考えると、
この製品がプレミアムラインであったことがわかります。
昭和の夢が、ひとつの箱の中に積み重ねられています。
グリコの創意と時代の鼓動を、ぜひお手元で感じてください。
【送料】
出品者負担(落札者様に追加料金は発生しません)
補足:落札後に送料が予想以上にかかると感じられる方が多いようでしたので、送料はすべて出品者が負担いたします。安心してご入札ください。
【発送方法】
匿名配送(ゆうパケット)
【梱包について】
水濡れ防止・折れ防止を徹底して梱包します。
【取引に関するお願い】
大切に保管して参りましたが、経年による劣化や折れ、擦れ、ムシレなどがあります。
ノークレームノーリターンをご了承の上で入札をお願い致します。
【出品にあたっての思い】
チョコレートパッケージを大切に保存していただける方にお譲りしたいと思います。
【宣伝】
コレクションの一部は、神戸のフェリシモチョコレートパッケージミュージアムに寄託保存しています。ここは数年前にできた博物館で、日本で唯一のチョコレートパッケージ専門の博物館です。こちらの方にお越しの際は、是非ともご来場いただきたくお願いいたします。