
定価880円
本の状態に悪い点全く無し
正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だ。しかし、希望がないわけではない。一人でも多くの人が人間の本性、すなわち自分の内なる「バカと無知」に気づき、多少なりとも言動に注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるはずだ。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。
「きれいごと」だけでは生きていけない
『言ってはいけない』から6年、「人間について、知りたくないけれど、知っておくべきこと」
「芸能人と正義に関するニュース」がどうして人気コンテンツになるのか?
キャンセルカルチャーが心地よさをもたらすのはなぜか?
バカと利口がじっくり向き合うことで生まれる悲劇とは?
「きれいごと」ばかりがはびこる現代社会の「残酷な真実」に光を当てる決定版。
【目次】
PARTⅠ 正義は最大の娯楽である
1なんでみんなこんなに怒っているのか/2自分より優れた者は「損失」、劣った者は「報酬」
3なぜ世界は公正でなければならないのか/4キャンセルカルチャーという快感
PARTⅡ バカと無知
5バカは自分がバカであることに気づいていない/6「知らないことを知らない」という二重の呪い
7民主的な社会がうまくいかない不穏な理由/8バカに引きずられるのを避けるには?
9バカと利口が熟議するという悲劇/10過剰敬語「よろしかったでしょうか?」の秘密
11日本人の3人に1人は日本語が読めない/12投票率は低ければ低いほどいい
13バカでも賢くなれるエンハンスメント2・0の到来
PARTⅢ やっかいな自尊心
14皇族は「上級国民」/15「子どもは純真」はほんとうか?
16いつも相手より有利でいたい/17非モテ男と高学歴女が対立する理由
18ほめて伸ばそうとすると落第する/19美男・美女は幸福じゃない
20自尊心が打ち砕かれたとき/21日本人の潜在的自尊心は高かった
22自尊心は「勘違い力」/23善意の名を借りたマウンティング
24進化論的なフェミニズム
PARTⅣ 「差別と偏見」の迷宮
25無意識の差別を計測する/26誰もが偏見をもっている/27差別はなぜあるか?
28「偏見」のなかには正しいものもある?/29「ピグマリオン効果」は存在しない?
30強く願うと夢はかなわなくなる/31ベンツに乗ると一時停止しなくなるのはなぜ?
32「信頼」の裏に刻印された「服従」の文字/33道徳の「貯金」ができると差別的になる
34「偏見をもつな」という教育が偏見を強める/35共同体のあたたかさは排除から生まれる
36愛は世界を救わない
PARTⅤ すべての記憶は「偽物」である
37トラウマ治療が生み出した冤罪の山/38アメリカが妄想にとりつかれる理由
39トラウマとPTSDのやっかいな関係/40「トラウマから解放された私」とは?
付論1 PTSDをめぐる短い歴史
付論2 トラウマは原因なのか、それとも結果なのか?