【製品について】
フランスAudax社が本格的にアメリカに進出する以前、まだ、フランスMontreuil に拠点を置いていた時代、1950年代後半~’60年代初頭のフルレンジ・ユニットT 21 PA 15。サブ・コーンを備えたダブルコーン・タイプです。当オークションでも、まず、見かけることのない大変希少なユニットだと思います。(私の秘蔵ユニットの1つでもあります。)マグネットは赤バンドの筒形アルニコ、ダンパーはコルゲーション・タイプが採用されています。NOSの状態で購入したpairになります。
出品のT 21 PA 15は、Audax社のアルニコ・フルレンジTシリーズにおけるプロ向けの高級タイプになります。このTシリーズは、最初の数字(17,19,21,24)がユニットの大きさを、次の2文字にはPAとPBがあり、PAは筒形アルニコを搭載した業務用を、PBはより小型のアルニコを搭載したホーム・ユース用を、それぞれ表しています。(PAシリーズは音の強さと響きの豊かさ、浸透力の高さが魅力ですが、音楽の柔らかさ、ふくよかさという点ではPBシリーズもなかなか魅力的です。ここらあたりは再生音楽に対する好みの範疇ということになると思います。)PAの後ろの数字には12と15があり、15がより重量級のアルニコを搭載していることを表しています。古いカタログによると、T 21 PA 15では、やはりプロ用らしく、総磁束79,000maxwell、磁束密度13,800gaussと、T 24 PA 15とても強力な磁気回路になっています。(この値は一回り大型のT 24 PA 15と同じ数字です。参考までにGoodmansのAxiom80では、それぞれ62,000maxwell、17,000gaussとなっています。) Audax社のみならず、SupravoxのT 215 SRTFやT 215 RTF 64と並んで、フランスを代表するアルニコ・フルレンジ・ユニットと言えるでしょう。(作りとしては、エッジの保護用被膜やサブ・コーンの材質や形状など、英国Goodmans社の影響が感じ取れます。) 音質的には、シアター仕様らしく、豊かな響きと高い浸透力、そしてスケールの大きさが魅力の、当時のフレンチ・サウンドを体現したユニットです。ビンテージAudaxらしく、初期Audaxの個性が十分に生かされ、フランス製らしいチャーミングなエスプリを感じさせるユニットになっています。ゆったりと響く低域の上に乗った密度の濃い中高域が、艶っぽさから、影のある表現まで、幅広く表現してくれます。(チョン・キョンファのヴァイオリンの鋭いボーイング、ポリーニのビアノの強い鋼の響きなど、いずれも印象的でした。)
ビンテージ・ユニットらしく、能率はかなり高いので、駆動するアンプは、小出力でも音質的に良好なものを使っていただけたらと思います。使い方としては、中型の密閉箱で少し背圧をかけて使うのが本来だと思いますが、低域を欲張らなければ、後面開放でも十分に愉しむことができます。
ラウンド径210mm。取付用の穴の位置は、ネジ穴対角でおよそ200mmになっています。
フランス音楽のファンの方、あるいは、オーディオ草創期の赤バン・アルニコの懐かしく豊かな響きの音楽をお探しの方、いかがでしょうか。(大変希少なユニット故、当方、年齢的に次の方にバトン・タッチをという思いで出品しておりますので、趣味家の方や専門家の方にお譲りできればありがたく思います。)
【商品の状態について】
○ NOSの状態で購入したもので、特にこれといった傷みは見られません。箱入りのままで保管されていたようで、コーン紙も製造時のブルーの色合いがきれいに残っています。ただ、補修痕も認められませんので、製造時のままと思われますが、片方のユニットのサブ・コーンの取り付けが少し傾いています。(正面からはわかりにくいですが、側面から見るとわかります。)音質には影響は無いようですが、気になる方は入札をお控えください。
〇 DCRは揃っており(公称インピーダンスは8Ω。)、音圧差も通常の使用で問題のない範囲に収まっています。
【その他】
発送はヤマト宅急便、1ヶ口。送料着払いでお願いします。(即決価格で落札いただいた場合は、送料は当方で負担させていただきます。)
ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。
なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。