1958年に製造されたWestern Electric（WE）24AWG・錫メッキ単線。
絶妙な柔軟性と美しいシルク布被覆が特徴で、今では完全に廃盤、かつ当時のまま残された“奇跡のデッドストック”。

内部はソリッド（単線）＋錫メッキ構造。
その構成がもたらすのは、ただの“ヴィンテージ感”ではなく、音の重心を整え、トレブルの暴れを抑えながらも芯を太く保つ、唯一無二の音像。

シルク（布）被覆の手触りと質感も、まさにMid-Centuryの米国製造品そのもの。
この線材は、ただ古いというだけでなく、～60年以上の時を経てなお柔軟性と導電特性を保ち続ける生きた線材～です。

とくにストラトキャスターやテレキャスターのような繊細でアタッキーなサウンドを持つシングルコイル機種においては、この線材の真価が際立ちます。
この線が、“いつものギター”の表情を一段階引き上げてくれる。
“音が変わる”ではなく、“楽器の素性があらわになる”──
それが、Western Electricの魔法。

音の立ち上がりが鋭く、かつ刺さらない

高域に自然なロールオフがあり、耳に優しく抜ける

ミドルが前に出る傾向で、ピッキングニュアンスがしっかり残る

錫メッキによる“甘さ”と“芯”の絶妙なバランス

特にテレキャスでは硬質すぎないスナッピーさ、
ストラトではアタックとグライド感の共存を感じることができます。

(ギター配線材としての真価)

特にストラトキャスターやテレキャスターといった“繊細さとキレ”を要求されるモデルにおいて、
このWE線はまさに～「静かな熱量」と「自然な倍音」～で応える存在です。

ハイが刺さらず、耳馴染みの良い滑らかで奥行きのあるトーン

ピッキングのニュアンスがそのまま音になる応答性

通常の24AWGや22AWGでは味わえない、“あの年代”独特の落ち着いたミッドと自然な減衰


(日本市場における評価と背景)

2000年代以降、日本国内ではHuman Gearや高級リペアショップなど、“音を知る”ブランドや職人たちがこのWE線をこぞって採用。

特にオーディオ機器の世界では、真空管アンプや高級スピーカー内部配線に用いられるほど、倍音の濁りのなさと解像度の高さが評価され続けてきた歴史があります。

この背景こそが、ギターにおいても“ただの古い線”ではなく、「音をコントロールするための選択」として信頼されている理由です。


(おすすめの使い方)

・Stratocaster、Telecasterの配線アップグレードに
・ヴィンテージ系リイシュー機のアップグレード


“ヴィンテージの再現”ではなく、“本物の音質改善”としての導入


この線は、1950年代という時代の中で、音を支えるためだけに作られた工業芸術品。
そのポテンシャルは、70年近くの時を経た今でもギターの音を変える力を持っています。

“あなたのギターに、本物の魂を宿らせる最後の1ピースを。”