-- ゼネラル6S-35 1955 ハイファイ

ゼネラル6S-35

ゼネラルのウッドキャビネットラジオにはいつも魅了されます。

今回出品の6S-35は、コンディションが良好につき、木目出しをした以外はオリジナルを重視した仕上げにしております。

どうぞご検討くださいませ。

ゼネラルの６Ｓモデルは５球＋マジックアイの６球モデルを表し、昭和20年代のST管モデルから続く呼称です。

ハイファイブーム盛りの1955年～1956年、ゼネラルが発売した一群のハイファイモデルは、グリッドスタイルの樹脂フェイシアと、

ブラックのサブパネルを持ち、全体をヨーロッパ調にまとめたデザインとなっています。

この6S-35はどこか欧州ラジオの影響を感じさせながらも、日本的なデザイン消化がなされた

より親しみやすいものになっています。

性能面では出力管に4極ビーム管6AQ5を採用し、6AR5に比べて1.5倍の音声出力を得たハイファイ仕様であること、

NFBによる音質向上を図っていること、IFTの帯域がハイファイと高選択度のモード切替え式であることが特記されます。

機器の概要を以下にまとめます。

標準型5球スーパー＋マジックアイ 6BE6, 6BD6, 6AV6, 6AQ5, 6X4, 6E5

オーディオアンプ部NFB回路

キャビネット内蔵大型キャパシティアンテナ

トラッキングレス親子バリコン

8インチパーマネントダイナミックスピーカー

低周波フィルターチョークトランス

底板回路図貼付

行った処置は以下のとおりです。

不良CR部品交換

新品マジックアイ交換（トーヨー製）

外部入力ケーブル製作 RCA端子

美装（ステイン＆アルキドヴァーニッシュ）前面両サイドのコントロールパネルの独特の照りはアルキド樹脂を用いて

在りし日の輝きを再現した物です。これを活かすために、筐体木部の艶は控えめにしました。

ウレタン樹脂にはないニュアンスを感じて頂ければと思います。

受信性能はクラス最優秀です。やはりゼネラルと唸らされました。

私見ですが、ゼネラルの高性能の源は、ｍT管用IFTの優秀さと、親子バリコンにあると考えています。

工房のある兵庫県山間部にて本体キャパシティアンテナのみで、昼間いとも簡単にRKC高知放送を受信。

非常にDXが効きます。リード線アンテナ付加でさらに感度が向上します。

音色については、低音の出も良く、良いトランスとともにNFBの効果を感じます。

電源部に低周波チョークトランスが入っているのでハム音も僅かです。

何と言っても、オーディオ管で定評ある6V6-GTに特性が似た、６AQ5の音をNFBを掛けて聴けるのは貴重です。

外部入力でお好みの音源をお楽しみください。

当方での受信確認を経てはいますが、受信はご住居の地域、環境、構造に大きく左右される部分です。

臨機応変にアンテナを工夫することは大事です。

また、整備品とはいえ本機の構成部品は７０年の経年につき、コンディションの変化もあり得ます。

ご理解の上のご入札をお願い申し上げます。