イタリア北西部のリグーリア州に位置する港湾都市、サヴォーナを拠点に1973年頃に結成されたという純正シンフォニックロック系プログレッシブロックバンド、コルテデイミラコーリの1976年発となる唯一作(後の発掘録音盤を除く)。オリジナルLP盤のリリースはフォニットチェトラが配給を手掛けていたグロッグレーベルからで、こちらの再発CD盤はキングレコード(セブンシーズ)からの1990年版。で、この作品のCD盤としては最も初期のヴァージョンとなる本掲載盤の注目ポイントは、解説書を書いているのがなんと北村昌士で、キングレコードのユーロピアンロックシリーズにもエントリーされていた本作LP盤の解説書をそのまま転用したもの。この解説書も北村昌士に興味がある人にとってはとても興味深いもので、この当時の世相や最初期のフールズメイトを取り巻く音楽状況、或いは何故にフールズメイトがプログレッシブロックの専門誌的な側面から80sニューウェイブを含む同時代性に共振していったのかというその経緯が簡易な印象論でしかないけれども述べられていて、この当時、本作コルテデイミラコーリのアルバムをリアルタイムで購入した北村昌士が新譜のレヴューとしてフールズメイトに掲載していた事を踏まえながら解説しているのがなんとも妙味のある文章。で、本作に戻るとして、アルバム制作への経緯としてはニュー・トロルスのメンバーだったヴィットリオ・デ・スカルツイがコルテデイミラコーリに興味を示し、アルバムを制作すべくリクルート。この当時、このヴィットリオと弟のアルドデスカルツイ(ピッキオダルポッツオの中心人物)の父親が出資して創設されたという、ジェノヴァにあった録音スタジオのスタジオGというのがあって、ここでアルバムを録音したアーティストのアルバムをリリースすべく発足したのがMagma~Grogレーベルということだったようで、なのでこの経緯からコルテデイミラコーリもスタジオGで録音し、Grogレーベルからのリリースとなったのも自然な流れ。バンドの経歴としては、1969年に超幻のシングル盤をたったの1枚だけ残したThe Trumpsというサイケプログレバンドにまで遡り、このバンドに居た、後にコルテデイミラコーリの最初期のラインナップに名を連ねるアレッサンドロ・デッラ・ロッカ(ギター)、後にイルジーロストラーノのメンバーとなるマリオ・ピグナータ(ベースとギター)、そしてコルテデイミラコーリの中心人物でキーボード奏者のアレッシオ・フェルトリを擁した重要グループがThe Trumpsというわけで、フェルトリがこの次に参加する事になるプログレッシブロックバンド、Il Giro Strano(92年にMellowから貴重な発掘録音盤がリリース済み)で短期間活動し、その後さらにご自身の音楽コンセプトを具現化すべく結成されたのがこのコルテデイミラコーリだったという流れ。結成直後の編成はアレッシオ・フェルトリ (キーボード)を中心に、グラツィアーノ・ジッポ (ボーカル)、ミケーレ・カルローネ (キーボード)、ガブリエーレ・シリ (ベース)、アレッサンドロ・デッラ・ロカ(ギター)、フラヴィオ・スコーニャ (ドラム、パーカッション)による布陣(この当時の貴重なスタジオデモ音源が Dimensione Onirica のタイトルで92年にMellowからリリース済み)。この後本作をレコーディングする直前にアレッサンドロ・デッラ・ロッカ(ギター)と、ミケーレ・カルローネ (キーボード)が脱退し、替わりにこの当時既にジャズピアニストとして相当の経験とキャリアを積んでいたというリカルド・ゼニア(キーボード、ピアノ)が後任として正式に加入。因みにこのリカルド・ゼニアという人はコルテデイミラコーリと同時並行して活動するようになるジャズロックバンドのGialma3のリーダーだった人で、この繋がり方には少々驚くしかないほど。というのもGialma3での本格的なモードジャズを含めたジャズ~ジャズロック作法がコルテデイミラコーリでは全く感じさせないほどだったからで、本作ではまるで別人のようなプレイヤビリティでもって王道シンフォニックロック路線の華麗なキーボード捌きに唖然というわけで、バンドの解散後はイタリアンコンテンポラリージャズシーンへと復帰して、数多くのアルバムを録音しながら現在でも順調に現役続行中。ドラムス奏者のフラヴィオ・スコーニャもこの後、現代音楽シーンへとシフトして作曲家~指揮者~パーカッション奏者として活躍し、係わったアルバムも18作を数えながら現在でも順調に現役続行中。アレッシオ・フェルトリは1979年に建築学の学位を取得し、音楽からは離れてライフワークとして建築の仕事にシフト。他のメンバーに関してはコルテデイミラコーリで名前を残しただけで、シーンからは姿を消すといった足取り。で、本作の内容はというと、典型的なイタリアンシンフォニックロックという感じで、70年代中期という時代柄か、洗練感と透明感のある響きのテクスチャーが、特にヴォーカルパートになるとインストウルメンツも含めて顕著になるあたりはこのバンドの個性となっていて、例えばヴォーカルパートだけ抜き出してみれば、サンレモ音楽祭系70sイタリアンポップス伝来のメロディックな感覚を濃厚に引き継いでいるのは流石。インストパートに於けるツインキーボードという編成については、これはもうバンコの影響下にあるというしかないほどで、特にオルガンとピアノがフロントに出た時のクラシカルなフレーズの掛けあいから音色に至るまで、マニアックなほどの視点でバンコを検証しているのが解るほど。蛇足ながらギター奏者が居ない(クレジットに無い)はずのこのバンド、それでもなぜか1曲目では超カッチョイイ荒くれギターソロが出てきてビックリ。これはもしや脱退したハズのアレッサンドロ・デッラ・ロッカなのか?と思ったら大間違いで、これはなんとヴィットリオデスカルツイの客演だったという事で一件落着。CORTE DEI MIRACOLI-same(king records)
※オビ無しです。
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