世界的なフライ界の権威Pro Shop SAWADAの沢田賢一郎氏主宰の、2013年ニューイヤーフライショウで、第17代目グランプリドレッサーの称号を獲得したH.Yamanakaの手による、ハイグレードな、ニンフフライです。
今回の出品の品は、正真正銘の、本物のChadwick’s477(フォーセブンセブン)で巻かれた、拘りに拘って巻かれたキラーバグ、1本です。
英国の、グレイリングが良く釣れる河川で有名なエイヴォンリバーの、リバーキーパーであったフランク・ソーヤーFrank Sawyerは、Chadwick’s477(フォーセブンセブン)を0.12mmのコパーワイヤーでフックに1往復半巻き、グレイリング用の必殺フライ、「ソーヤーニンフ Sawyer Nymph」を創りました。あまりに良く釣れるため、「キラーバグ」とも呼ばれています。今日(こんにち)では、ニジマス他渓魚に抜群の威力を誇るフライとして、知られています。
ソーヤーのオリジナルのキラーバグに使われた毛糸は、Chadwick’s477(フォーセブンセブン)と呼ばれる、羊毛Wool 85%とナイロン15%の混紡毛糸です。
コーツ・ペイトン社製の、本物のChadwick’s477(フォーセブンセブン)は、70年以上前に生産中止となり、染料の記録が残っていない為、復刻が不可能な毛糸です。ビニヤードやセンパーフライ、ジャミーソン等、様々なメーカーがこのChadwick’s477(フォーセブンセブン)を真似た毛糸を販売していますが、どれも陳腐な、チープなものに過ぎません。
今回のフライは、その、本物の、70年以上前に生産されていた、手に入れることが非常に困難な事で知られる、正真正銘の、本物の、実物の、Chadwick’s477(フォーセブンセブン)を使って、この出品のフライを巻いています。やはり本物は違います。文献で見るソーヤーニンフ Sawyer Nymphに、瓜二つの色合いが出ます。薄めの桜色のWool85%地に、ナイロン地15%の濃いクラレットのカラーが所々に浮かび上がり、その斑(ふ)の模様の絶妙な入り様は、実に流麗且つ荘厳です。
フックも、実際のキラーバグで使われたマスタッドのケンドゥル・ラウンドフックに近い、廃版のラウンドベンドフック、Partridge Captain Hamilton L3A#16を使用しました。スレッドも、嘗てフランク・ソーヤーが使ったのと全く同じ太さの、0.12mmのコパーワイヤーで巻いて居ります。拘りに拘って復刻して巻いたフライです。今回巻くに当たり使用した毛糸は、画像の、本物の、実物の、Chadwick’s477(フォーセブンセブン)です。70年以上の時を経てフックに巻かれたこの毛糸は、煌めいて、輝きを放っています。
ドレッシングに於いても、フランク・ソーヤー氏の妻、故マーガレット・ソーヤー婦人直伝の、故島崎鱒二氏が1984年刊アングリング通巻6号で日本に紹介した、オリジナルのキラーバグの巻き方と同手法で、ハンドタイイングで巻いて居り、ベンドから巻き始めて、ベンドでフィニッシュしています。Chadwick's477(フォーセブンセブン)を一往復半させるとか、コパーワイヤーをどの位置から巻き始めるか等の、オリジナルメソッドに忠実に巻く方法は、フライの太さを再現するのに欠かせなく、また、巻き数が違って来て重量や重心が変わり、フライの水中でのバランスも変わってくるので、本物のキラーバグを模刻する上で、欠かせない要素の一つです。
この出品の品は、ただコパーワイヤーで毛糸を巻いただけのフライではありません。SAWADAグランプリドレッサー17代目の当方の、フライへの拘り、フランク・ソーヤーへの畏敬の念が凝縮されています。
画像のそのものの商品を出品致しますので、どうぞお気に召しましたら御入札ください。