ウルグアイ出身というこのジャズロックバンド、特にこのジャケットの印象では2000年代以降の新進気鋭ラテンジャズ系でしょ?なんて勘繰りも解らないではないものの、このバンドの歴史は意外にも複雑で、そもそもの結成はなんと1952年にまで遡り、結成当初の編成は1943年生まれ、ウルグアイはモンテヴィデオ出身のウーゴファットルーソと1948年生まれで同地出身のオズワルドファットルーソに加えて彼らの父親のアントニオファットルーソによって結成されたという事なので、謂わば家族で音楽を楽しんでいるようなファミリーバンド的なきっかけで開始されたという事なのかもしれず、この当時ウーゴのほうは9歳にしてピアノとアコーデオンを演奏し、オズワルドのほうは4歳でドラムスを担当しながら8歳の頃になるとプロミュージシャンとして活動を開始するという恐ろしさ。父親のアントニオファットルーソのほうは経済的な理由からちゃんとした楽器を揃える事が困難だったものと思われ、この当時はバケツにほうきをくっ付けてそこに紐を1本張って自作したベースを演奏したという記載が海外のサイトには記載されているとうり。この後の上記の演奏者、ウーゴとオズワルドの経歴としては60年代初期にホットブロワーズという非常に古いスタイルのジャズを下地にした大衆音楽歌謡バンドを結成してシングル盤を数枚製作しながらもビッグヒットとはならずに解散。その後、ウルグアイでは60年代最初期のマージービート系として大ヒットを飛ばしまくったロスシェイカーズへ参加しての大活躍。さらに70年代中盤になると、いよいよプログレ系としても絡んでくるのが面白いところで、ウーゴとオズワルドの両者は揃ってジャズロック系のOPAの中心的なメンバーとして参加し、数々のアルバムを残し、エルメートパスコアル、ミルトンナシメント、アイアートモレイラらとの共演から、さらに80年代初頭に唯一のアルバムを残したこれもプログレ系のバルカローラへ正式メンバーとして参加するといった経緯。そしてようやく本作へという事で、上記のように当初は趣味の域を出ないファミリーバンドだったであろう、トリオファットルーソの1952年の結成から実に47年越しの1999年になって、いきなり何が閃いたというのか、ウーゴとオズワルドが中心となってバンドが再結成されるといった驚きの展開で、オリジナルメンバーで父親のアントニオは既に他界したものと推定され、この人の代わりに加入したのが、なんとウーゴの息子でフレットレスベースのテクニシャンとしても知られていた、フランシスコファットルーソが参加という流れ。これでようやくバンドは結束すると同時に音楽的なヴィジョンが共有され、さらにアンサンブルに磨きをかけるべくリハーサルを重ねながらデビューアルバムの制作へ向けて本格的な活動へ入っていき、遂に2001年に待望のデビューアルバムをリリース。このアルバムの評判は上々だったようで、地元の音楽誌やアールアバウトジャズ誌にも好意的なレビューで採り上げられるといった順風満帆の滑り出し。さらにバンドは勢いを増しながら地道な演奏ツアーを続け、2005年にはウルグアイ屈指ののリゾート観光地としても知られるているらしい、プンタデルエステにある音楽クラブ、メディオイメディオに出演し、この時の演奏をライブ録音して作品化したのが本作で、バンドとしては通算2作目のアルバム。オリジナルリリースはアルゼンチンの Los Anos Luz Discos というジャズ系インディーズから限定枚数プレスでリリースされていたもので、現在ではやや入手困難。まずは編成からという事で、オズワルドファットルーソ(ドラムス)、ウーゴファトルーソ(エレピ、サンプリングキーボード)、フランシスコファットルーソ(フレットレスベース)による布陣。内容はと言えば。南米ラテンジャズ要素をジャズロック~フュージョン寄りに解釈したような方向性で、ギタリストは居ないけれども全盛期のパットメセニーとエグベルトジスモンチを合体させたようなセンスに併せて当然、エルメートパスコアルの影響下にもあるテクニカルプログレッシブな感覚は、ライズデペドラ、バンダエラスティカ、アラス、ヴェルダゲールなどのプログレ勢をも彷彿とさせ、アンサンブル全体に緊張感を漲らせてもいるという、南米ジャズロック物としてもトップクラスの内容。序盤の1~2曲目まではわりと流麗な滑る出しではあるけれども、3~4曲目あたりから徐々に白熱し始めて、5曲目以降は炸裂ジャズロックパターンの坩堝と化しながらドバドバ展開。パーシージョーンズみたいなカウンターフラグメントをこれでもかと繰り出してくるフレットレスベース、管楽器のパートをも含めて、エレピやオルガンなど、様々に音色に変化させながらハッピーザマン時代のキットワトキンスやエルメートパスコアルをも彷彿とさせるキーボード、南米フォークロアなリズムを含みながらも過激な炸裂パターンを繰り出してくるドラムスによるアンサンブル。さらに面白いのはOPAやAzymuthをも彷彿とさせる80年代の南米ラテンフュージョン感覚を引き継いで再解釈しているマニアックな視点など、この筋の隠れた怪作がこちら。TRIO FATTORUSO-en vivo en medio y medio( Los Anos Luz Discos)
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