大変貴重で美しい1960年代製フランス・ベッソン F.BESSON (フォンテーヌ・ベッソン) 銀メッキ ロングコルネットです。
Serial : 979xx
外装美品で、ベルは極めて綺麗で、Water Key近くにPing Dingsは見られますが、気になるようなアタリ・傷・ヘコミはありません。
甘く気品ある音色には惚れ惚れします、この頃のフランスベッソンはアメリカ市場を意識しており、Kenny DorhamやMiles Davis、Lee Morgan などにも使われています。 Key in Bb (A=440hz/Low Pitch)
スライド・ピストンとも現役完動良好品です。 ピストンオイルはやや粘度のあるものをご使用になると物凄く鳴ります。
アメリカンロンググコルネットシャンクのマウスピースレシーバーですので、現代Bach,Conn,King,Yamahaなど標準コルネットマウスピースに適合します。
Courtois、Boosey&Hawksや英国Bessonなどのショートコルネット用マウスピースは深刺さりになるだけで使えますが、アダプターがあった方が良いでしょう。
オリジナルケースは付属しません。 トランペット/コルネット2本入れられるダブルギグバッグに入れてお送りします。
「F. Besson Brevete (フォンテーヌ・ベッソン ブルヴテ)」は、フランスの老舗金管楽器メーカー「ベッソン (Besson)」が製造したヴィンテージのコルネット(またはトランペット)のモデル名で、「Brevete (ブルヴテ)」はフランス語で「特許取得」を意味し、特定の技術やデザインが特許であることを示す刻印(商標)です。
標準的なマウスピース(VincentBach 7C)をお付けします。
F.Bessonの1967年モデルUS向けロングモデルは、ジャズコルネットの名器でした。
1970年にFontaineBessonは隣のQuesnonの工場と一緒に焼失したため大変希少なのです。
OLDSの工場長だったBesson原器仕様のMedes Modelも手掛けた Zigman Kanstulが、Fullertonで F.Bessonの商標権を得て復刻していますがもはやフランスベッソンの製作品は世に出てくることはありません。
(2025年 12月 29日 17時 10分 追加)多くのプレイヤーたちが言及しているベッソンとは、戦前のまたは戦後のF.Bessonのことです。(ここで言う戦争とはもちろん第二次世界大戦のことであり、ナチスのフランス占領によりF.Besson社も著しく生産が制限されたおよそ5年間のことです。製造番号ではおよそ88000番から92000番の期間です。)F.Bessonメア・モデルは92000番(1945年ごろ)から始まります。F.Bessonブルブテ・モデルは1920年代以降、アメリカでは数多くのトップ・プレイヤーたちによって選ばれたトランペットでした。クラッシック・プレイヤー、コマーシャル・プレイヤー共にF.Bessonを使用していたのでした。460ボアのブルブテ・モデルはその当時F.Besson社が提供する事実上唯一のモデルでした。第二次世界大戦が始まるとカール・フィッシャー・ミュージカル・インストゥルメンツは、ナチスのフランス占領を理由にフランス製品の輸入を制限するように議会に陳情しました。この身勝手な行為によってカール・フィッシャー製のトランペットは、外国製の楽器との競合からのがれたのでした。しかし、アメリカ国内でのF.Bessonトランペットの使用が膨大な数であったため、修理目的に限りトランペットの部品だけはボイコットを逃れ、しかも免税で輸入が許可されたのでした。その際F.Besson社に課せられた唯一の条件は、各部品それぞれにモデル名と「Besson」の刻印を入れることでした。ベルには「Fabrication(製造)」と刻印されました。これは修理専用であることを示していたものと推測されます。 戦時中、ニューヨークに住む「ラプアナ」という名の男があるアイディアを思いつきました。それは、国内市場でのF.Bessonトランペットの不足を補うため、修理専用として輸入の許可された各部品を使って、トランペットをアメリカ国内で製造するというものでした。この時期に、ラプアナの助けによりアメリカで作られた470ボアのメア・モデルは、ヨーロッパにもたらされたのでした。(F.Besson社はこのような改作を知らされていなかったし、許可もしなかったでしょう。)この間、だれかが新しくベルが必要となった場合、入手できる部品はメア・ベルだけでしたので、ブルブテ・モデルの本体にメア・ベルを取り付けるということが行われたのでした。珍しい460ボアのF.Bessonメアは、実はこのようにして生じたのでした。 製造番号によって正規の物と認証されるF.Bessonメア・モデルは、92000番から始まります。最も価値のあるメアは製造番号92000番から99000番までのものです。100000番以降のメアは、悪名高いロンドン・バルブ・ケージング(80年代にシルキーがヤマハ製のバルブを使って、多くのプレイヤーたちにトラブルをもたらした話となにか似ていますが・・・)と、ロンドン・ベッソン工場が使用していたフランス工場とは異なった真鍮材を用い、ロンドンで製造されました。 それについて説明すると、F.Besson社は戦後、戦闘で荒廃した地域から回収した迫撃砲弾の薬きょうを使用しました。(戦後フランスでは真鍮材でけでなく、他の金属も極端に不足していました。)薬きょうが受けた爆発の際の高熱、それに加えベルやリードパイプの鍛造の際の焼きなましが、フランス製のF.Bessonトランペットにその独特なサウンドと吹奏感をもたらしたのです。「Brevte」ブルブテとはフランス語で「特許」という意味です。そして、戦時中アメリカに送られた部品で、セカンド・バルブ・ケージングに刻印された「decote」とは「免税」という意味です。これは「フランス製品に関する法律」から免除され、アメリカでの関税がかけられなかったことを意味しています。大企業ベッソンが受けた戦時および戦後の厳しい状況、アメリカではコーン、フランク・ホルトンなどの既成の大楽器メーカーの品質低下の問題、これらは、F.Bessonのコピーから始めた小さなトランペット・メーカーたちにトランペット市場の一部を獲得するチャンスを与えました。これらのメーカーのオーナーたち、ヴィンセント・バック、エルディン・ベンジ、ドミニク・カリキオ、ラディ・マック、F・D・オールズらはみな、(小さなメーカーゆえ)自ら多くの仕事をこなしました。