オジー・オズボーン - Bark At The Moon Demos - Ozzy Osbourne
本作は名盤『 月に吠える 』のデモ・トラック集。アルバム全曲だけでなく、欧州盤の「Spiders」やシングルB面曲「One Up the 'B' Side」も含め、『 月に吠える 』セッション全曲の別バージョンが楽しめます。デモとは言っても練習風景などではなく、全曲ともかなり出来上がっている。「Slow Down」「One Up The "B" Side」「Guitar Practice」の3曲はインストですが、他はすべてオジーの仮歌入り。その「Slow Down」にしても、本番前のカラオケかと思うほどの完成度です。「Bark At The Moon」はギターソロ前半も入っていない段階ですが、面白いのはエンディング・ソロ。完成版ではジェイクの歴史的なギターソロが炸裂するわけですが、この段階ではあの閃光フレーズを弾いているのはドン・エイリーのシンセ。あのクラシカルなソロ・フレーズはドンが考案し、それをジェイクがなぞって完成した……その裏舞台が確かめられるのです。「Now You See It (Now You Don’t)」も面白い。イントロでオジーが演奏を静止する様子も生々しいのですが、さらにそのイントロがアルバムと完全に違う。ちょっとプログレッシヴ風でもあるイントロで、思わず、何の曲?となるほど新鮮なアレンジなのです。そんなアルバム全曲+2曲に加え、最後に収録されている「Guitar Practice」も素晴らしい。ジェイクが「Bark At The Moon」のエンディング・ソロを独りで練習しているもの。最初はゆっくりと弾いてフレーズを確認し、少しずつテンポを上げ……ない。二度目にはいきなり本番さながらの閃光テンポであのフレーズを炸裂させているのです。震える弦が目に浮かぶほど生々しい独奏。それこそ「ジェイク版のDee」と呼びたい絶品の名テイクです。ヘヴィメタルのマイルストーンだった『 月に吠える 』時代をお腹いっぱいお楽しみください。
・Tracklist
[Ridge Farm Studios, Rusper, England in 1983]
1. Bark At The Moon 2. You're No Different 3. Now You See It (Now You Don't) 4. Rock 'N' Roll Rebel 5. Centre Of Eternity 6. So Tired 7. Slow Down 8. Waiting For Darkness 9. Spiders 10. One Up The "B" Side 11. Guitar Practice (Bark At The Moon)