Thad Jones =Mel Lews Orchestraで活躍したクラリネット&テナー奏者、エディ・ダニエルズがサッドの実兄でGreat Jazz Trioでの活躍で、今なお(2006)絶大な人気を誇る最長老級の現役ピアニスト、ハンク・ジョンズを迎えて、ベースにはこれまたレジェンド・リチャード・デイヴィス、ドラムスにはピアノ・トリオのドラマーとして多くの作品に起用され、重なる来日で日本でも高い人気を誇るケニー・ワシントンが参加した、ワンホーン・カルテット作品。クラリネットの演奏が目立つエディだが、本作では冒頭にフィーチャーされたサッド・ジョーンズ作の名曲“Mean What You Say”などでテナーサックスのプレイを聴かせてくれる。収録曲は冒頭曲以外にサッドとエディの共作として知られる“Why You…,”そして、歴史を辿るピアニストたちの名曲、ビリー・ストレイホーン、さらにパーカー・スタンダードまで、エディの実力を余すところなく発揮したアルバムとなった。サッドはそれぞれの作品が持つ時代感を、時にはストライド・ピアノを時にはモダンスイングな味付けで、彩っている。サッドとの因縁深いエディにとって、ジョーンズ兄弟で唯一元気に活躍を続けるハンク・ジョーンズを迎えて制作して本作こそ、名曲を残した名作曲家、バンドリーダー、そして、個性豊かなトランペット奏者だったサッド・ジョ-ンズへの最大のトリビュート・アルバム