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田中角栄回想録−早坂茂三（筆頭秘書）田中角栄の栄光と苦悩の歴史　不世出の天才政治家の素顔を浮き彫りにする超一級ノンフィクション！！

日中国交回復を果たした周恩来との膝詰め談判、“角栄節"で愉しませたエリザベス女王との会見―。戦後の一時代を築いた田中角栄の栄光と苦闘の歴史を、肉声をまじえてたどる。(解説・松崎 稔)

スローガンは「決断と実行」。戦後の一時代を築き、いまも人々の記憶に残る田中角栄。日中国交回復と日本列島改造論を掲げて政界の頂点に立ち、ロッキード事件を経てからもその影響力を失わなかった。２８歳での代議士初当選から法廷闘争の最中、病に倒れるまでに語られた思いや本音を、腹心の秘書であった著者が肉声を交えて紹介。不世出の天才政治家の素顔を浮き彫りにする超一級ノンフィクション。

目次
序章　ひとつの時代のはじまり、そして、終わり
第１章　青年代議士・田中角栄がみた戦後デモクラシー
第２章　池田・佐藤政権の屋台骨を支えつづけた十年
第３章　「列島改造」は田中政治のライトモチーフ
第４章　教育、職業、宗教についての見方、考え方
第５章　貿易自由化、経済自由化の本質
第６章　決断と実行　田中内閣波乱のスタート
第７章　日ソ外交史に残る田中・ブレジネフ会談
第８章　政治家の評価、官僚の評価、政党の評価
第９章　自民党最大派閥田中派の役割と実績


レビューより
日本政治の迷走が止まらない。鳩山前総理については指導力不足や戦略性の欠如が問われた。その観点から歴史を振り返れば、そこに田中角栄がいる。田中角栄には明解な国家観と戦略、そして強力な指導力があった。資源外交を始めたのも田中だ。しかも、愛弟子小沢一郎とは違ってきわめて陽性のリーダーだった。いまこそ田中角栄の再評価が求められてると思う。田中の資質を「闇将軍」という間違ったかたちでビルトインしてしまったことが、こんにちの混迷につながったのではないだろうか。天才政治家田中角栄を知る入門書として、これは最適だ。


話題は多岐に及びますが、特に印象深かったのは教育問題です。 『(子に)親がわからせてやる責任を放棄しちゃってる・・・小さい時から善悪の物差しを示してみせ、けじめをつけさせなければならん・・・公益は私益に優先するのかしないのか、憲法は私益に優先するのかしないのか、こうした一番の基本が今の教育基本法には全く欠けているんだよ』 教育は国家百年の大計と言われますが、道路や経済の問題だけではなく、真に日本を愛し、又、将来を担う若者をわが子のように想っていた田中の父親的温もりが伝わってきます。