
今回出品のNEC12AU7 2本の内の1本はNippon Electlicの印刷文字が赤いタマです。実は先般、同じ赤文字のNippon Electlic12AU7(ロング・黒プレート1950年代製造の希少品)を2本に出品したところ、想定外の高値で落札されました。
亡父が60年近く前に神田電気街で買い漁った2000本を超す数のミニチュア管の中で赤文字のNippon ElectlicのX7とU7は合わせて10本あるかないかでした。その内まともに使用出来たのは僅か4〜5本です。
NECは当初は真空管の市販をしていなかったので1950年代の球が市中に出回ることもほとんどなく、滅多に入手出来なかったのでしょう。
私が父から譲り受けた使用可能な球はX7とU7各2本ずつでした。ただし「これはあるいは?」と頭を捻る球もあり、捨てずに手元に残し長期保管していたのが今回出品のタマです。
前回に出品したU7とX7はほとんど使用せずに出してしまったので、どのような音かをまともに聞いていなくて記憶にもない。そこで手元に1本だけ残っていたU7(写真3/赤色のプリントは薄く製造年不明)を探し出してきて、果たして使えるかどうか試してみました。
結論から言えばかなりヘタッており、初めはハム音や音割れなどが出るジャンク状態でした。しかしめげずにしつこく長時間エージングを続けたところ、何とかまともと思われる音(ハムや音割れ無し)が出るまで改善しました(ただしスイッチオン時には発光する)。
この1本しか無いのか?....と更に手元の古いNECのU7を漁ったところ、頭の排気口が同じ形でプレートも同じようなU7を1本見つけ出しました(ただし赤文字ではなくプレートの色も灰色/写真5)。
こちらのタマは古いながらもハムや雑音はなく簡単なエージングによって使えたので、とにかく2本を現用アンプの前段として使って見ることにしました(写真)。
整流管を抜いてヒーターのみの点灯。しばらくしてから恐る恐る整流管を刺してスィッチオン、、スピーカーから流れて来たのはなかなか元気のある音でした(写真5)。
NECのU7は1959〜60年代初めのロング&灰色プレートのタマが手元にあり、それと比べてみると押し出しの良い明るい音です。「なるほど、やはり黒のプレートは違いがあるな、、、」と納得(もう1本のタマも同じような音ですが、、)。
手元に残すかどうか思案する。現在U7だけでも100本を超すタマがあり、今後の処分を考えればに出すか、、、、?ということで、今回この2本を出品することにしました。
このような少し問題のある球を使用するには多少とも真空管についての知識があり、入手後のエージングなどの取り扱いが出来る方が良いと思います。またプリアンプではノイズ面で使用が難しいと思いますので出力アンプの前段での使用としてください。
私のアンプ(写真)で音出しの確認はしましたが、ヘタッていることも事実ですのでジャンク品として安く(前回落札された価格の1割以下で)出品します。ただし一切NC&NRということでご参加下さい。