10年ほど前、女性ヴォーカルをフィーチャしたオカルト・ロックがちょっとしたブームになった。このムーヴメントの中心にいたのが、オランダのザ・デヴィルズ・ブラッド。ブラック・ウィドウやコヴェンといった60年代後半〜70年代初頭のバンドから影響を受けたサイケデリックでオカルティックなスタイルで、ドゥーム/ストーナーからエクストリーム・メタルに至るまで幅広いファンを獲得していた彼女らであったが、わずか2枚のアルバム(『The Tie of No Time Evermore』(09年)、『The Thousandfold Epicentre』(11年))をリリースしたところで、突如解散を発表。多くのファンを落胆させた。(解散後にサード・アルバム『III: Tabula Rasa or Death and the Seven Pillars』(13年)をリリース。)さらに、14年にはバンドのリーダーであり、ヴォーカリスト、ファリーダの兄弟でもあるセリム が自殺。シーンに大きな衝撃を与えた。