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この度出品いたしますのは、能楽の世界で絶大な人気を誇る女面の中でも、特にその妖艶で奥深い美しさが特徴の能面「万眉」の稀少な古作でございます。江戸時代に制作されたと推測される、大変貴重な逸品です。

「万眉」は、若い女性の妖しさと優雅さ、そして内面に秘めた複雑な感情を表現する面として知られ、「増女（ぞうおんな）」の流れを汲む面と言われています。本作品もまた、その柔らかな曲線と、見る角度によって様々に変化する表情が、まさに生きた女性の息遣いを感じさせるかのような説得力と気品を兼ね備えています。

熟練の面打ち師により、細部に至るまで丹念に彫り上げられた木肌には、長い歳月を経て培われた深い古色と独特の味わいが宿っています。かつて施された彩色の名残が随所に見られ、時を超えた美しさを物語ります。

頭頂部裏面には、時代を経た補修跡がわずかに開いて見られますが、これは幾多の舞台や時を超えて伝えられてきた歴史の証であり、**鑑賞面から見て作品の価値を損なうものではございません。**それもまた古作ならではの趣として、ご理解いただければ幸いです。

箱蓋裏には墨書が確認でき、本品の来歴を示す貴重な手掛かりとなります。また、大切な面を保管するための面袋も付属いたします。

江戸時代の能面は現存数が少なく、これほどの表情と風格を持つ作品が市場に出回ることは稀です。能面研究家の方、あるいは日本美術、古美術品のコレクターの方々にとって、この機会は滅多にない出会いとなるでしょう。

サイズ:

• 幅：約13cm
  
• 縦：約21cm
  
• 厚み：約7cm
  

状態:

• 経年による擦れ、彩色剥落、木目の露出がございます。
  
• 頭頂部裏面に補修跡とわずかな開きがございます。（詳細画像にてご確認ください）
  
• その他、画像にてご判断ください。ご不明な点がございましたら、ご入札前にご質問ください。
  

付属品:

• 面袋
  
• 箱（箱蓋裏に墨書あり）