【国宝級の風格】室町時代「黒式尉」能面 ─ 天文九年銘、幻の作者「令原又七」の逸品

この度、皆様にご紹介するのは、能楽の世界で比類なき存在感を放つ「黒式尉（くろしきじょう）」の能面です。その佇まいからは、まさに「国宝級」と呼ぶにふさわしい、圧倒的な風格と、計り知れない歴史の深みが感じられます。

【奇跡の時代銘と作者、そして秘められた由緒】
特筆すべきは、面裏に刻まれた「天文九 令原又七」の銘です。惜しくも「天」の文字は途中で切れていますが、寺社仏閣に伝わる古面において年号が彫られる例は極めて稀であり、また類稀なる作風から、私見ながら「天文九年」と判断いたしました。そして、この「令原又七」という作者銘は、現存する能面研究においても極めて珍しく、まさに「幻の作者」が手がけた稀代の逸品と言えるでしょう。

さらに、この能面は、今は無き著名な古美術商が大切に所蔵していた逸品が、偶然にも当方の手元に巡ってきたものです。その由緒ある来歴は、この能面が持つ歴史的・美術的価値を一層高めるものです。 この能面が、当時の能楽文化とどのように関わり、どのような物語を秘めているのか、想像は尽きません。

【歴史が刻んだ風合い】
眉毛や顎鬚はほとんど残っておりませんが、それこそが、約480年もの悠久の時を、幾多の人々の手に渡り、大切に伝えられてきた証です。長い年月を経て、表面に現れた古色や質感は、現代の能面では決して再現できない、唯一無二の深みと美しさを醸し出しています。この面が放つ静謐な雰囲気は、見る者の心を惹きつけ、能楽の持つ幽玄の世界へと誘います。

【能面愛好家垂涎の逸品】
この時代の能面、とりわけ時代銘と作者銘が刻まれ、さらに名だたる古美術商の旧蔵品という確かな由緒を持つ作品は、市場に流通することが極めて稀であり、能面愛好家の方々にとっては、まさに「垂涎の的」となることでしょう。室町時代の息吹を今に伝えるこの「黒式尉」は、単なる美術品としてだけでなく、日本の芸能史、文化史を紐解く上で、極めて重要な資料的価値を持つ存在です。

ぜひこの機会に、時代を超えて語りかける黒式尉の能面を、貴方の特別なコレクションにお迎えください。悠久の時の流れと、深遠なる能楽の世界観を心ゆくまでご堪能いただけることと存じます。

サイズ：

• 幅：約 13.5cm
  
• 縦：約 16cm
  
• 厚み：約 6.5cm
  
• 重さ：107g