活動初期は新宿ロフトを根城に上記したバンドたちと競いながらいわゆる「ワークソング」を多く歌い、パンクを根底に持ちながら全く独自の音楽的成長を遂げていったその姿勢や音楽にファンが熱狂しました。そして日本武道館、代々木オリンピックプールといった大会場を制覇していったその絶頂期に解散してしまいますが、その潔い姿をふくめた活動全般からもとてもロックを感じます。実際に生で見た人と見ていない人では全く評価が変わってしまうほど生粋のライヴバンドだった彼らのライヴは本当に凄かった。大会場でもライブハウスの様に完全に会場を支配出来た石橋のボーカリスト/パフォーマーとしての現場支配力は、例えば野音クラスの会場で体験すると人生を揺さぶられるほどの力があり、それはまさに衝撃でした。バンドブームの時にほとんどのパンク系のバンドが影響を受けたバンドとしてARBを挙げていたり、故松田勇作氏がアナーキーとともに唯一国内で認めたバンドであったり、ブルーハーツ～現クロマニヨンズの甲本ヒロトとマーシーやユニコーンやBOOWY等影響をうけたことを公言したり、解散時にはなんとサザンの桑田圭祐！！やパンタ、仲井戸麗市、村上ポンタ秀一、スライダーズの面々や陣内孝則などそうそうたるメンバーがコメントを出しました。初期BOOWYを聴けば明らかですが氷室京介のボーカルスタイルには石橋の影響がもろに表れています。ギタリストの脱退～新しいギタリスト加入に合わせて全くパワーダウンすることなくその時々ギタリストと石橋との化学反応によって変化～進化していったバンドの音も、それぞれの時期で最高の音を出すことが出来たその柔軟さと前進させる推進力は比類するバンドが思い付きません。今後もうこの日本でこのようなバンドは出てくることはないでしょう。本当に影響力のあった最強のロックンロールバンドの最強セットです。