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山下洋輔トリオ縦横無尽、赤塚不二夫の面白グループも全速前進、そして伝説の番組『今夜は最高！』が始まった――。編集者として、舞台演出家として、放送作家として、著者が駆け抜けた八〇年代は“笑い”と“音楽”に満ち溢れていた。ジャズ、落語、テレビ、舞台、出版……秘話満載、知られざる日本カルチャーを綴る！

編集者として、テレビの構成作家として、舞台やショーの演出家として、著者が駆け抜けた八〇年代は、いつも“笑い”と“音楽”に溢れていた。ジャズ、落語、テレビ、舞台、出版…。秘話満載、あの日、あの時の知られざる日本カルチャー。

１　落語的ジャズの日々（『宿屋の富』―自己紹介、そして山下洋輔とジャズ関係の人々と『冷し中華祭り』；『寿限無』―『結成４０周年記念！山下洋輔トリオ復活祭』　ほか）
２　今夜は最高な日々（『ザッツ・エンタテインメント』―テレビのバラエティ番組、今昔；『失われた週末』―『サンデーお笑い生中継』、『スター誕生！』、『夕刊タモリ！こちらデス』　ほか）
３　ショーと舞台の演出の日々（『間違いの喜劇』―初演出は東京ヴォードヴィルショーの『七輪と侍』；『夏の夜の夢』―二人になったチャンバラトリオとワハハ本舗の『極楽探検隊』　ほか）
４　歌謡曲かよ人生はの日々（『一杯のコーヒーから』―義兄小野二郎と晶文社と津野海太郎と植草甚一；『星は何んでも知っている』―ディープ・インタヴュー『みんな不良少年だった』　ほか）

登場する方々
立川談志　由利徹　内藤陳　小松政夫　タモリ
大林宜彦　小堺一機　坪内祐三　南伸坊　内田裕也
野田秀樹　中上健次　植草甚一　小林信彦
石原裕次郎　小林旭　宍戸錠　山城新伍
赤塚不二夫　渡瀬恒彦　中村雅俊　桃井かおり
伊集院静　横澤彪　森繁久彌　大地真央
原田芳雄　美空ひばり　島田紳助　明石家さんま
内藤やす子　ビートたけし　野坂昭如　大原麗子
矢野顕子　山下洋輔　桑田佳祐　永六輔
大竹まこと　団しん也　色川武大　 浅井慎平
YMO　日野皓正　坂田明　忌野清志郎
仲井戸麗市　RC サクセション　糸井重里　和田誠
他多数



レビューより
著者が関わったテレビのヴァラエティ番組の背景が、よく分かる好著。目次の各見出しが落語の演目、映画や戯曲、流行歌のタイトルという凝り様、サブ・タイトルも実に的確で◎。
P131~、『日曜はダメ!!』において、桃井かおりが自分の出ない小松政夫と松金よね子のコーナーに異を唱えたのは大原麗子と同様に如何にも女優魂爆発といった感じで、解らないまでもないが、『今夜は最高！』（以下、『今最』）のタモリまで九十九一のコーナーに懐疑的だったとは。
P142~、『今最』で、『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』におけるメロン騒動をパロった名場面があるのだが、松竹が放映料を時間換算して6分間分の金額を請求してきたという話、あまりにもセコくないか？
　同シリーズを大切にしているのだろうが、原田芳雄と小柳ルミ子の遣り取りが非常に面白く、あれがダメならパロディは成立しないし、そういう狭い器量が“寅さん”を次第に息苦しい方向へ導く結果になったのかも。
しかし、P173~、『今最』終焉の件が、どうしても腑に落ちない。
　著者は、スポンサーが出して欲しいタレント・リストを蔑ろにしたのがいけなかったと書いている。憶測に過ぎないが、スポンサーや代理店の事情、他局のヤッカミや同局内での足に引っ張り合いとかがあり、高平さんは本当のことを知っているのに、男気からか、わざと濁しているのかもしれない。