
今回、昔スラウェシ島で入手したインド更紗が複数枚出てきました。最後は、博物館や書籍等にもある非常にレアなインド更紗です。昨夜終了した布もそうでしたが、こちらもプリミティブな力強さのある布です。希少さについては下で触れていますが、もう出てくることのない布ですので、評価してくださるコレクターの方に引き継いでいただければと願っています。
これは、インドネシア スラウェシ島 タナトラジャ伝来のインド更紗です。
約400㎝×85㎝と非常に長く、天然染料、手紡ぎ木綿生地に木版ブロックを用いて捺染されており、その昔、インドからトラジャ地域の支配階級に渡った儀礼用布でした。
同手の布がイギリス・ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に所蔵(8枚目画像)されています。解説では、年代を18世紀後半〜19世紀初めとされていますが、確実なところで19世紀としておきます。2枚目の繊維のアップ画像(接写すると明るく写ってしまいます)をご覧いただくと、一本一本太さの違う手紡ぎ糸で、時代のある布だと分かります。また、最近入手した書籍「世界の美しい染めと織り」の中にも見開きで同手の布が掲載(9枚目画像下の左側)されていました。歴史のあるお店、巧藝舎さんの長年に渡る素晴らしい染織コレクションが収められている本です。その340ページ (10枚目画像)にあるのと同手の布が今回出品の布です。以前に右側のタイプを出品・落札いただいた際は、前述の書籍にあるのが分かりませんでした。この布についての詳しい解説が書かれていますので、10枚目画像をお読みください。
なお、右側のタイプは切断されるとすぐ分かるのですが、こちらは同じ3つのパネルから構成されており、分けられやすかったのだと思われます。大変希少な布ですので、分割され世界の博物館やコレクターの元に渡ったようです。しかし、その用途から本来は長い布で、出品の布は、元からの3パネルすべてが揃った品で、なおさら貴重であることがお分かりいただけるかと思います。
状態ですが、所々に傷みがあります。傷み部分が目立つように白布上で撮影した下端からの3分割画像(5〜7枚目画像)をご覧ください。小穴等はこちらでご確認いただけると思います。一ヶ所上部(7枚目画像青い囲み部分)に補修が入っています。生地自体には、糸に力がありますので、他の用途にお使いいただけるでしょう。ほつれや汚れもあり、新しい布ではありませんので、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。新しい布をお求めの方は、お控えください。
時代のあるインド更紗は、はぎれでも今ではなかなか出会えないものです。整理のため、抑えての出品としており、この布の希少さを考えると大変リーズナブルかと思います。出品している品はいずれも、現地にまだ物が残っていた良い時代に選別して蒐集したもので、時代や品質について保証します。お好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
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