『将棋に強くなる本』
著者:柿沼昭治
金園社(きんえんしゃ) — 将棋や囲碁をはじめとした盤上ゲーム関連書籍の刊行で知られる出版社。
この本は、将棋の上達を目指す中級者〜上級者向けの実践的な指南書です。
序盤・中盤・終盤それぞれの戦い方や、戦型別の対策、実戦譜から学ぶ考え方などが章ごとに丁寧に解説されています。例えば、序盤でリードを取る方法、中盤をどう戦うか、終盤力の鍛え方、居飛車対居飛車・居飛車対振り飛車の戦い方といったテーマが取り上げられており、230ページにわたって実戦的な戦術・戦略が紹介されます。著者の視点はプロ棋士ではなく、実力と経験を持つアマチュア強豪の立場なので、読者の実戦感覚に寄り添った内容になっているのが特徴です。
戦術だけでなく考え方を学べる:単なる定跡集ではなく、勝つための思考法や局面の判断基準など、
実戦に役立つ考え方が体系的に整理されています。
幅広い局面に対応:序盤〜終盤まで幅広くカバーしており、局面ごとの工夫や対応策が分かりやすい構成になっています。
読みやすい構成:図面や手順を適宜挿入しながら解説しているため、テキストだけでなく実際の対局を想像しながら読み進められます。
アマ強豪の視点:プロ棋書にはない、実戦的で素直なアドバイスや考え方が記されており、初段前後〜中級者に特におすすめです。
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大山康晴 著『将棋に勝つ戦法』(池田書店・昭和50年5月10日第34版)
『将棋に勝つ戦法』(著:大山康晴/出版社:池田書店)は、昭和の将棋界を代表する棋士・大山康晴十五世名人による実践的な将棋指南書です。本書は、戦法や定跡だけでなく、勝つための具体的な戦い方の原理と戦術に重きを置いた内容になっており、「どう指せば勝ちにつながるのか」という本質的なテーマを、プロ棋士ならではの視点で解説しています。池田書店の快勝シリーズの一冊として出版されており、当時の将棋ファン・実戦派アマチュアに広く読まれました。
『将棋に勝つ戦法』の最大の長所は、単なる定跡紹介にとどまらず、対局において勝利を掴むための考え方や方針立てを重視している点です。
序盤の駒組み、攻めと受けのバランス、局面の見切り方、勝負どころでの仕掛け方など、実戦的な内容が多く盛り込まれています。
また、局面ごとの最善選択の判断基準を棋理に基づいて示しており、「勝つために何を優先すべきか」がわかりやすい形で書かれています。
大山名人は昭和の将棋界で屈指の強豪として知られ、数々のタイトルを獲得した実績があります。
この経験に裏打ちされた視点が、各局面での巧妙な駆け引きや必勝の筋として語られるため、
読者は単なる技術以上の“棋士の思考法”を学べます。
初心者から中級者・上級者まで、棋力に応じて読み取れる内容になっているのも魅力です。
初心者にとっては基本の勝ちにつながる要素が整理された構成として、中級者以上には勝負どころでの
状況判断や応用的戦術のヒントとして役立ちます。
昭和期の名人自身が執筆している本書は、単なる指南書だけでなく、当時の将棋観や戦法論を知る歴史的資料としての価値も持っています。
プロ棋士・大山康晴の思考と実戦経験が詰まった一冊として、今でも高い評価を受けています。