
新書です。 きれいなほうです。
現在、テレビやラジオで活躍する芸能人が番組の中で話すのは、
必ずしも東京を中心として話される共通語だけではない。
地元の方言で話をする人も多く、それらの言葉も十分な魅力となって彼らの価値を高めている。
また、メディアなどで注目を集める「好きな方言ランキング」というものもある。
「京都弁」や、本書でも扱っている「福岡弁」が人気だが、柔らかい言い回しや、
独特の表現など、共通語とは違った言葉に魅力を感じる人が多いようだ。
一方で、進学や就職などを機に、地元を離れて上京し、共通語を話す若者が多いのも現状だ。
「落ち着く」や「愛着がある」などの理由で地元を懐かしがる人も少なくない。
しかし、上京してしまうとなかなか地元に戻る機会が減ってしまうのも現実である。
そこで、少しでも地元の人口流出を防ぐため、全国各地でさまざまな取り組みが行なわれている。
方言を駆使する「ご当地アイドル」グループもそのひとつだ。
さて、本書では、ご当地の魅力再発見の手助けとなるように、
九州・沖縄地方に関する方言やそれにまつわる面白い話、
言葉から見える県民性の違いなど、バラエティ豊かな情報を紹介している。
地域の言葉で迎えられ、地域の言葉で見送られる……。
旅行に行った際には、そんな場面を味わい、
現地に暮らす人々との触れ合いを楽しむことができるに違いない。
【目次】
■他国の文化を取り入れた国際派 ――福岡県
■自己主張はちょっとニガテ 根は真面目で引っ込み思案 ――佐賀県
■新しいもの好きな 異国との架け橋 ――長崎県
■一途な情熱が 「火の国」たるゆえん!?――熊本県
■九州地方の異端児 我が道を行く ――大分県
■時の流れも止まるような 南国モード ――宮崎県
■世界遺産に守られる 神秘の土地 ――鹿児島県
■南国の自然が育んだ大らかさと 誰よりも強い郷土愛 ――沖縄県