カリフォルニア州より、ラッパー/プロデューサー MARCUS DAVIS 率いる
クリスチャン・ラップ・ユニット GOD QUEST による '98年作。デビュー作
では如何にも MARCUS DAVIS が主役といった感じだったが、本作では相棒
のシンガーソングライター JACOB LUTTRELL が共同プロデューサーにまで
昇格している。前作で大いに活躍していたモータウン出身のシンガーにして
もう1人の相棒 COLIN ENGLAND も続投しているが、関与した楽曲は3曲ほど
で前作と比べると随分控えめ。また MARCUS DAVIS はほぼプロデューサーに
徹していることもあり、JACOB LUTTRELL による歌モノが約半数を占める。
十八番のメロウネスは本作でも健在で、歌モノの哀愁メロウ①を筆頭に、男性
ラッパー TELLY をフィーチャーした昇天必至の哀愁メロウ③、グルーヴィー
な歌モノのスムース・メロウ⑦、ギタリスト MARLON BOWEN をリードGt.
にフィーチャーしつつ、妖しいトークボックスの音色が響きわたるスムース・
ジャジー・メロウ⑧、STEVIE WONDER などを彷彿させるエバーグリーンな
輝きを放つ歌モノのメロウ⑨、MARCUS DAVIS による涙腺直撃のスポークン
ワードが炸裂する③のインタールード・リプライズ⑩、ネオソウルにも通じる
歌モノのアーバン・ジャジー・メロウ⑪など大充実の内容に仕上がっている。
歌モノに傾倒した甘党Gフリークのみならず、インディ・ソウル・フリークの
間でも語り継がれる、90年代後期のホーリー・ヒップホップ史に輝く傑作皿。