マルニ木工からリリースされ、瞬く間に世界クリエイティブシーンから熱烈な支持を得た、近年稀に見る国内発の世界セラーマルチテーブル。MARUNI COLLECTION(マルニ木工の手掛けるデザインブランド)より。オーク無垢材仕様 / エクステンション仕様のご提案。
コンセプト段階から世界シーンの席巻を狙い、その狙い通りにミラノサローネにてセンセーションを巻き起こし、Apple社の新社屋 "Apple Park" のインテリアクリエイションの主賓としてチェア数千脚が同時発注を受けるなど、話題に事欠かない、世界プロダクトデザイン史のリーディングケースとしても非常に重要な逸品。
プロダクトデザインは通常、デザイナーと職人や技術者(=設計図を描く者とそれを造る者/自由な者と不自由な者)という対立した立場にいる者同士が協業するという構造から、どちらかか首位に立ったプロダクションが展開されることが多く、デザイナー先行/技術者先行のアイテムというものが多いですが、HIROSHIMAは両者が見事な共創を経て生み出したクリエイション。
そのデザイナーである深澤直人は、「ふつう」「典型」というデザインアイデンティティを "Super Normal / スーパーノーマル"と提唱して展開、"Without Thought / 思わず" というデザインコンセプトを掲げたクリエイションで現代を代表する世界的なデザイナーに君臨する、日本の世界に誇るデザイン界の巨匠です。
同じくスーパーノーマルの提唱者である Jasper Morrison / ジャスパー・モリソンと共に展開する、日本のクラフツマンシップと古来伝統の美意識に親和したデザインを融合させたプロダクション "マルニコレクション" は世界的なヒットブランドへ。
なかでもセンセーショナルを巻き起こしたHIROSHIMAは、非常に端正なスケッチデザインに、幾つもの逆行する要素を巧みに具有させた優れたクリエイションは、深澤とマルニ木工のエンジニアによる二項対立の生み出した傑作。
日本人の我々にとって受け入れやすく、あまりに普通に見えすぎるデザイン性ですが、「100年使っても飽きのこないデザインと堅牢さ」の体現例として、木に対する日本的な美意識を無塗装に近い自然な木肌の仕上げを用いて表現しており、日本が世界に誇るクラフツマンシップ高らかな設計。
天板材とレッグス4本のシンプルな設計に、ほのかなアウトラインを形成する天板エッジのまろやかな仕上げは、職人のうちで “トカス” とネーミングされた造形美を駆使したディティールポイント。
木の表情をより以上に、やわらかく山の稜線のようにぼかすといった工法で生み出されており、無垢材の質感を生で感じられうようなウレタン塗装の仕上げと相まって、有機的でありながら、なんともミニマリズムな佇まい。
ポールレッグスと天板の厚みのバランスと取り付け角度の絶妙さも、自然情緒に溢れつつも無機質な硬質感もある、なんとも味わい深い筆舌に表現することの困難な、周到なデザインです。
何度も何度も観察して、そのディテールに秘められた優れたクリエイションをご堪能ください。
ネームとしてHIROSHIMA / ヒロシマを冠ったことも非常に重要なポイント、世界的な平和の象徴を冠ることで、ミニマムでノーマルなデザインに隠されたコンセプトとディティールへの関心を促しマルニ木工を世界ブランドへと飛躍させようとした、その名前を冠ることへの責任と自信を感じさせます。
状態も非常に良好なコンディション、展示品の入荷につき、天板短辺エッジに些細な打ち込みや極小のチップ等のある程度(伸長板にオーク特有の飴色のエイジングが見られませんが1-2ヶ月で馴染んできます)、最高のコンディションでのご提案です。