ギターレス・ピアノロックトリオとして有名なBen Folds Fiveの2ndアルバム。
バート・バカラックMEETトッド・ラングレン、スクィーズMEETニルヴァーナなバンドです。
1stでのオルタナティヴなサウンドが、オリエンティッドなソングライティングとともに、
幾分洗練されたサウンドに仕上がったのも、本盤の特徴。
エルトン・ジョンがトッド・ラングレンと競作しちゃったような1曲目♪One Angry Dwarf and 200 Solemn Faces 。
ピアノのナイーヴなイントロで始まる3曲目♪Brick はジャンルを超えた美しいバラード。
サビでのファルセットヴォイスの美しさも去ることながら、
そのメロディ展開やピアノを中心にした演奏が曲の魅力を高めています。
♪彼女はひとりぼっち
♪僕はひとりぼっち
と互いの孤独を共有できないふたりの切ない歌詞。
ジャズテイストを取り込んだ5曲目♪Selfless, Cold and Composed 。
オールドタイミーなイントロから曲の世界へ誘われる7曲目♪Smoke は、3/4拍子で展開してゆく名曲。
8曲目♪Cigarette でのピアノとベンの声がたわむれるように展開してゆくソングライティングは本盤の個人的おすすめ曲。
眠る瞬間を音に封じ込めたようなメロディは特筆すべきできで、ベンの声も幾分中音域でハスキーに響いてます。
コーラスワークも決まった11曲目♪Missing the War 。
♪僕は争いを避けているんだよ
♪僕はいつも争いを避けているんだよ
と唄われるサビとソフトロック調なコーラスワーク。
恋愛における悩みを題材にしつつ、普遍性を帯びたような曲の雰囲気は、秀逸なメロディ&歌唱によるところが大きいように思えます。
後半部でコーラス、ハーモニー、ベース・リズムがとけあってまるでビートルズの♪Hey Jude のよう。
ベン・フォールズはビートルズの遺伝子の持ち主としても評価されているアーティストで、
そこにバート・バカラックなどのピアノでのソングライティング職人のテイストが濃い点が、他のアーティストとの存在感の違いを生み出しているように思えます。
本作ではベンのソロ色が強い作品と言えるかも。
1. One Angry Dwarf And 200 Solemn Faces
2. Fair
3. Brick
4. Song For The Dumped
5. Selfless, Cold And Composed
6. Kate
7. Smoke
8. Cigarette
9. Stevens Last Night In Town
10. Battle Of Who Could Care Less 
11. Missing The War
12. Evaporated
13. 金返せ