出版社 : 新潮社
城山 三郎 (著)
経済小説・歴史小説を牽引してきた作家が、先立った妻を偲び綴っていた原稿。
書評、マスコミ等々で大きな話題を呼んだ「鎮魂の書」。
彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる──。
気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。
没後に発見された感動、感涙の手記。
本文より
あっという間の別れ、という感じが強い。
癌とわかってから四ヶ月、入院してから二ヶ月と少し。
四歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。
もちろん、容子の死を受け入れるしかない、とは思うものの、彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない。
本書「解説」より
城山三郎さんの本書『そうか、もう君はいないのか』というタイトルを目にしたときは、胸に鋭い一撃をくらったような衝撃であった。
後に残されてしまった夫の心を颯と掬う、なんと簡潔にしてストレートな切ない言葉だろう。最愛の伴侶を亡くした寂寥感、喪失感、孤独感とともに、亡き妻への万感の想いがこの一言に凝縮されている。城山さんの悲痛な叫びが、助けてくれえ、という声まで聞こえてくるようで、ドキッとしたのだ。
――児玉清(俳優)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
システム利用料、梱包料、消費税は一切頂きません。
いわゆる古本になります。経年変化、汚れ、痛みなどあります。欠落ページはありません。小さな見落としはご容赦ください。美品をお求めの方は入札をご遠慮下さい。
古本ですので現状渡しノークレーム・ノーキャンセル・ノーリターンをご納得頂ける方はご入札ください。オークション開催中の入札キャンセルには対応していません。ご入札後「質問」から問い合わせをいただきましても対応できませんので商品内容をよくご確認の上ご入札をお願い致します。
評価及び取引状況などにより取引を中止させていただく場合がありますのでご了承ください。
基本的に写真にあるものがすべてです。
タイトル、商品説明と写真の内容が異なる場合などありましたら入札前にご質問より御確認お願い致します。
梱包材はリユース品を使用していますのでご了承ください。
厚さ制限がある発送方法の場合、簡易梱包になる場合があります。
当方では輸送中の事故の補償は一切致しません。確実に受け取りたい、補償をご希望、お急ぎの方は補償付の発送方法をお選び下さい。
運送会社への問い合わせは、落札者ご自身で直接お願い致します。
発送方法の詳細は必ず事前にご自身でご確認の上選択お願い致します。
宅配便の業者は複数あり当方の都合により選定致します。業者指定には対応していません。
持ち込みなど割引サービスがある発送方法の場合、送料をご連絡する時点で対応可能かどうかわかりませんのでお伝えする金額に反映していません。
発送時に割引サービスが適用されても 返金などの対応は致しかねますのでご了承ください。
また、輸送中の事故の場合の「悪い評価」はご容赦下さい。
基本的に発送は週1回となります。なるべく早めの発送を心がけていますが、都合により入金確認より1週間ほど要する場合があります。お急ぎの方はご入札前に「質問」より状況をお問合せいただけますようお願い致します。
以上をご了承の上ご入札お願い致します。