【1】概要:
・三菱DIATONE P-610DBを、25mm厚天然木パイン集成材による後面部分開放型エンクロージャーにセットしたシステムです。
・ユニットはエッジ含めオリジナルです。
・私は普段、ヨーロッパのユニットを中心にシステム制作、ヒアリングをしておりますが、並行して日本製の音の良い代表的ユニットであるダイヤトーンP-610シリーズのユニットを使用したシステムを研究開発しております。
・これまでバスレフ、密閉、ツィンユニットバスレフ、バックロードホーンなどいろいろ制作しましたがイマイチしっくりきませんでした。
・当方の力量不足が主要因でしたが、やはり何か不足していました。
・そこで不要な振動の無い響きの良い重量級の箱を作り、次に後面開放面積を調整出来る後面部分開放型エンクロージャー形式としてチューニングしました。
・その結果これまでの課題がほぼクリアされました。
・音が良く抜けるようになり、また大きく音場が広がりました。
・低音が安定し力強くなりました
・P-610DBの音は現代的で、家庭用として使用した場合は現代でもハイレベルの音と思います。
・また、初期のP-610シリーズは素晴らしい音がするのですが、ウレタンエッジの劣化周期が早く高水準の音を継続するのはなかなか大変でした。
・それらに比べP610DBは低音、高音ともにレンジが拡大され、耐入力も2倍以上に強化されています。
・何といってもエッジの劣化がほとんどないのが素晴らしいです。
・センターキャップ内部にチタン製振動板が設置されており、高域は良質のツィータが内蔵されているかの様な素晴らしさです。
・音楽ソースはJAZZもクラシックもOKでご機嫌に鳴ります。
【2】ユニット仕様
・インピーダンス:8オーム
・製造番号:同一ロットの連番です。
・外形:160mm
・発売:1983年
・定格入力:7W
・エッジ:オリジナルのまま。経年変化に強い発泡ポリエチレン樹脂製ですので長期使用でも安心です。
・マグネット:馬蹄形アルニコ。大型化されています。
・状態:片側のコーンに盛り上がりが見られますが音に影響は見られない範囲です。
・そのほか詳細は下記を参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/P-610
【3】エンクロージャー・型式:後面部分開放型
・このユニットの能力を最大発揮させる方式です。
・音の抜けが非常に良く高レスポンスです。
・また後面にも音が拡散されますのでスケールが大きく、かつ柔らかい音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行21.0cm
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフル、裏板は針葉樹系プライウッドです。
・パインは節の無いA級グレード品です。
・天然木の響きは最高です。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出しが接続可能です。また画像8の通り、バナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプター付きです。
【4】音
・以下の音質評価は主観ですのでご承知おきください。
・高音、低音とも良く出てきます。
・40年以上前に制作されたユニットは思えない新鮮な音です。
・1950年代のハードバップジャズが熱気を伴って見事に再生されます。
・ECMのキースジャレットはクールでかつダイナミックレンジの広い再生です。
・クラシックの弦、モーツアルト、ヴィバルディなどは見事な再生を行っていると思います。
・1950~90年代のJAZZ, POPS、映画音楽などとの相性もピタリです。
【5】測定結果
・画像9はユニットダイレクト接続時の特性です。
・画像10は出品のシステムのもので、PHSTでイコライジングした後の特性です。
・全体に平坦になり、低域、高域が良く出ていることがわかります。
【6】ほか
・スタンドは含みません。
・マンスリーマガジン
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_439101.html