九鬼周造
(1888~1941)東京市生れの哲学者。1909年、東京帝国大学文科大学哲学科に入学。ケーベルに師事する。
1912年、大学院に入学するも、1921年、退学。文部省嘱託となりヨーロッパに留学。
1922年、ドイツ・ハイデルベルク大学でリッケルト、ヘリゲルに学ぶ。
翌年からスイス等に遊び、1925年、パリ大学に在籍、ベルグソン、サルトルに交わる。
1927年、再びドイツに帰り、フッサール、ベッカーから現象学を学び、ハイデッガーの講義を聴く。
1929年帰国し、京都帝国大学講師に就き、1933年助教授に就任。
以降、1941年没するまで、文学部哲学科でデカルト、ベルグソン、現象学を中心に現代哲学を講じた。
1930年には、代表作『「いき」の構造』を発表。1941年、腹膜炎のため死去、53歳。
三木清、和辻哲郎と共に日本でのハイデッガー受容の最初の世代で、「実存」という哲学用語の訳語も
九鬼が定着させた。また、ハイデッガーも九鬼を高く評価していた。
西田も田邊も九鬼を知っており、京都帝国大学で講師、助教授を務めたが、京都学派には入っていない。
☆京都学派は、西田幾多郎、田邊元を中心に、波多野精一、朝永三十郎、和辻哲郎、久松真一、武内義範、
土井虎賀壽、下村寅太郎、上田閑照、大橋良介。左派に三木清、戸坂潤、中井正一、久野収。
戦中の京都学派四天王に西谷啓治、高坂正顕、高山岩男、鈴木成高。
書名:九鬼周造全集(1980年:岩波書店版):全11巻別巻1揃:
著者:九鬼周造
編集:天野貞祐/澤瀉久敬/佐藤明雄/
編集協力:石垣哲二
題字:西田幾多郎
発行所:岩波書店
発行日:【1】1981年7月24日 発行 他
定価:4,500円 ~ = 51,000円
所収:【1】「いき」の構造 /「いき」の本質(『「いき」の構造』準備稿)/ 巴里心景 / 滞欧中小品 / 〇 解題 /
【2】偶然性の問題 // 偶然性に関する論考;偶然性(博士論文・講演)/ 偶然化の論理 他 / 〇 解題 /
【3】人間と實存 // 論稿;時間の問題――ベルクソンとハイデッガー / 文學の時間性(講演) 他 /〇 解題 /
【4】文藝論;文學の形而上學 / 風流に關する一考察 / 藝術と生活の融合 /情緒の系圖 / 日本詩の押韻 / 〇 解題 /
【5】をりにふれて(遠里丹婦麗天)/ 未發表隨筆 / 押韻論 / 〇 解題 /
【6】西洋近世哲學史稿 上 / 〇 解題(天野貞祐)/
【7】西洋近世哲学史稿 下 / 〇 解題(天野貞祐)/
【8】現代フランス哲學講義 ; 序(天野貞祐)/ 序論~第三章 / 〇 後記(澤瀉久敬)/ 解題 /
【9】講義 現代哲學 / 講演 現代哲學の動向 / 〇 解題 /
【10】講義 ハイデッガーの現象學的存在論 / 演習 / 〇 解題 /
【11】講義 文學論 / 講義 偶然性 / 〇 解題 /
【別】資料篇; 「いき」に就て / 詩歌 他 / 付 / 〇 年譜 / 全集總目録 / 解題 /
参考:帯略なし。箱、小口・天・地、本文等に汚れ・ヤケ・シミ・書込み・蔵書印等あり。A5判。計約10.4kg。 ≪新本購入≫
ゆうパック(追跡・補償あり)サイズ100。取置(1週間)・ゆうパック等で同梱可。
★終活のため処分しております。