
国指定重要無形文化財「小鹿田焼」の花入です。
高さ42cmと非常に大きく、作陶にも手間や難儀が伴い、手に入りにくい寸法のやきものです。
詳細な寸法は、
口径24cm×胴径29cm×高さ42cm×底径17cmです。
時代は感じられますが、陶器の傷みはなく、状態は良好で、ダメージはありません。
経年の「用の美」を感じられる存在感のある作品です。
底面に「小鹿田焼」「鹿峰」の在名です。
流し掛けの技法が施されています。
詳細は画像でご確認ください。
※おてがる配送ゆうパック140サイズでの発送を予定しております。
皿山地区にて、昔からの伝統的な手しごとで作陶されている小鹿田焼は、かつて民藝運動で有名な柳宗悦やバーナードリーチから 高い評価を得ています。
素朴な色合い、伝統を黙々と受け継いできた作陶の流儀は、使うに連れて味わいの増す『用の美』が追求された造りとなっています。
時を経た小鹿田焼の器には、経年によるこその魅力があります。
また、この作品は やきものとしては非常に大きい寸法で、柔らかく形を変える粘土で作られるため、高い技術を要します。
【参考】
小鹿田焼は、文禄・慶長の役後、九州に渡来した朝鮮半島出身の陶工による陶技が、筑前高取系の小石原を経て現在の大分県の小鹿田皿山に導入され定着したものと考えられ、その開窯は宝永二年(一七〇五)と伝えられます。
以来、明治時代末期まで、甕、鉢、壼等の農家の日用雑器を 黙々と伝統を受け継ぎ 焼造してきました。
昭和六年、民芸運動の指導者であった柳宗悦の来山により、その伝統的技法と質朴・雄勁な作調が賞揚され、同四十五年、国は小鹿田焼の技術を記録作成等の措置を講ずべき無形文化財として選出しています。
以後、今日まで伝統的製作工程による作陶が堅持されており、主として地元産の原料を用い、原料の製造・加工および作品製作にも伝統的な用具を用いられています。