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戸田山和久著、100分de名著 「レイ・ブラッドベリ； 『華氏451度（Fahrenheit 451）』」です（NHK出版、2021年6月刊）。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。

★内容：　本が燃やされる「ディストピア」は、SFか、現実か。読書が有害とされ、本を所持しているのが見つかるとファイアマンに家ごと焼き払われてしまう全体主義的な近未来社会。人々は甘い仮想現実世界に浸り、考えること、記憶することを放棄している。職務に忠実なファイアマンである主人公モンターグは、ある少女との出会いをきっかけにその職務や、社会のあり方、自らの実存に疑問を感じ始める・・・。「近未SF」の姿をとりながら、反知性主義が広がる「現実」を鋭く風刺するこの予言的作品に込められたメッセージを、「思考」「知識」「論理」についての著作も多い科学哲学者の戸田山和久が読み解く。

　『華氏451度』は、レイ・ブラッドベリ（Ray Douglas Bradbury、1920 - 2012年）によって1953年に書かれたSF小説。タイトルは（本の素材である）紙が自然発火する温度（華氏451度≒摂氏233度）を意味している。1966年、フランソワ・トリュフォー監督によって『華氏451』として映画化され、そのオマージュ作品も撮られた（映画『華氏911』）。
　この作品は、本を焼却し去り、人間の思考力を奪う全体主義社会の恐怖を描くだけではなく、効率化の果てに人々が自発的に思考能力を放棄してしまう皮肉や、「記憶」や「記録」をないがしろにする社会がいかに貧しい社会なのかを逆説的に教えている。そこに描かれる人々の姿は、SNSやマスメディアなどに踊らされ、思考し何かを問い続けることを忘れがちな私たち現代人をも鋭く刺し貫いている。本作について「本を読むことの深い意味」、「思考することで得られる真の自由」、「権力にからめとられないための叡知」など多角的な視点から解読する。

★著者、戸田山和久は1958年、東京都生まれ。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期退学。科学哲学を専門とする哲学者。名古屋大学大学院情報学研究科教授。主な著書に『論理学をつくる』、『知識の哲学』、『「科学的思考」のレッスン』、『論文の教室 ― レポートから卒論まで』、『科学哲学の冒険：サイエンスの目的と方法をさぐる』、『心と社会を科学する』（共著）、『交響するコスモス』（同）など。

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