
アイワのブックシェルフ型スピーカー「SC-61」です。
以下の整備を施しています。
・ ウーファーエッジの張替え
・ フィルター回路の再構築
・ 配線の引換え
・ コネクターユニットの交換
・ ネジの交換
ウーファーのウレタンフォーム製エッジを新しいものに張り替えています。(写真4、5枚目)
内部のディバイディングネットワークを作り直しています。(写真6右下)
回路設計はオリジナルのままに、ポテンショメーターを除くすべてのパーツを刷新。
上記に伴い、ケーブルもすべて新しく引き直しています。
OFCコードを採用し、ウーファーにはBELDEN「STUDIO 716EX」を引いています。
背面のコネクターユニットを、バナナプラグに対応するものに換装しています。(写真6左下)
各ドライバーを固定するネジを、ステンレス製のものに交換しています。
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キャビネット外観は、擦り傷がかなり少ない代わりに、PVCの表面的な劣化が若干見られます(写真8、9枚目)。目立つものではありません。
片方のバスレフポートの一部に、欠けの接着跡があります。(写真7枚目)
前面ネットは付属しません。
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79年~80年頃のアイワのコンポ「myPace」シリーズに採用されていたスピーカーシステムです。
当時の廉価な国産機種ではめずらしい、椀形コーンのウーファーを採用しているのが特徴。
フロントに高域用アッテネータを搭載したり、ドライバー特性のクセを見据えたであろうフィルター回路設計と、コンポ向けながら手間がうかがえる仕様です。
さすがに高低域のレンジ感で現代機に及びませんが、特性的にフラットで、粗さの抑えられた音です。
概して古臭さがなく、半世紀近く前の製品ながらなかなかの実力派です。
整備は、劣化部の改修が主です。
出音にオリジナルの雰囲気が残るよう、新しいコンデンサにもケミコンをあえて採用。コイルも空芯にはせず、コアコイルのままです。
いっぽうで、配線はルートを見直して短縮化。ケーブル径も一回り太くしてあります。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ式
・ 寸法:210W x 330H x 240D mm
・ 重量:4.2kg
・ インピーダンス:8Ω
・ 周波数帯域:50Hz~18kHz
・ 出力音圧Lv:89dB/W/m