【ご挨拶】
ご覧いただきありがとうございます。コレクション整理の一環として出品いたします。バンダイ製「1/48スケール・重駆逐戦車エレファント」です。
【商品名】
バンダイ 1/48 インターナショナルスケールシリーズ No.3
ドイツ重駆逐戦車 エレファント(Sd.Kfz.184)
【商品説明】
本キットは、ポルシェ博士が開発した「ティーガー(P)」の車台をもとに生まれた超重駆逐戦車“エレファント”を、バンダイ独自のディスプレイ志向で精密に再現したものです。
内部構造のモールドも細やかで、エンジンルームや戦闘室などを組み込んでのカットモデル展示も可能。外観だけでなく「構造の魅力」まで味わえるキットです。
本シリーズはモーターライズから一線を画し、「見せる模型」としての完成度を追求した意欲作。
説明書には第614重駆逐戦車大隊のマーキング例も掲載されており、塗装派にも満足いただける構成です。
【キット内容】
【キャタピラについて】
キャタピラは軟質素材製で、ピンによる固定方式。
走行状態の再現と組立の簡便さを両立した設計です。
【状態】
・未組立・部品未使用品です。
・すべてのランナーは個別袋入り、デカール・クリアパーツ・ゴム製キャタピラも良好です。
・外箱には若干の擦れがありますが、大きなダメージは見られません。
・写真に写っているものがすべてです。
【発送方法】
おてがる配送(ゆうパック)60サイズ予定
梱包には工夫を凝らしており、丁寧に保護して発送いたします。
【歴史解説】
Sd.Kfz.184「エレファント」は、第二次大戦中におけるドイツ軍の重駆逐戦車であり、その開発の背景には、ひとつの“敗者復活劇”が存在します。
1942年、ドイツ陸軍は重戦車の制式採用をめぐって、ヘンシェル社製のティーガーI(H型)と、フェルディナンド・ポルシェ博士によるティーガー(P)を競合させました。結果、ポルシェ案は整備性などの問題から敗れますが、すでに生産されていた約90台の車台を有効活用するかたちで、重駆逐戦車へと転生――それが“エレファント”です。
搭載されたのは、88mm対戦車砲「Pak43(L/71)」。
この砲はもともと対空砲Flak18/36/37として開発されたものでしたが、戦場ではその貫通力が高く評価され、後に正式な対戦車砲として制式化された経緯を持ちます。
「Pak」はPanzerabwehrkanone(対戦車砲)、「43」は1943年の制式採用年、
そして「L/71」は、砲身長が88mmの71倍、すなわち6.25mに達する超長砲身であることを意味します。
これは当時の対戦車砲としては世界最高レベルの威力で、1,000mの距離から190mmの垂直装甲を貫通可能でした。
砲身は車体の前方から約2m以上突き出すため、市街戦などでは取り回しが難しかった反面、**長距離での狙撃戦においては敵を寄せつけない“象の牙”**となりました。
初期型は「フェルディナンド」としてクルスク戦に投入され、のちにMG34機関銃の追加や装甲の強化を経て「エレファント」として再登場。
東部戦線だけでなくイタリア戦線など西部戦域でも使用され、最後の数両はベルリン防衛戦にも投入されたとされます。
【ひとこと】
このエレファントが「No.3」として名を連ねた時、バンダイのこの1/48シリーズはまだ始まったばかりでした。
ティーガーI、キングタイガー、そしてこの“象”――ドイツ重戦車の三本柱を揃えたラインナップに、バンダイの静かな闘志が感じられます。
本キットは、単なる外観再現にとどまらず、戦闘室・エンジン・搭乗区画といった内部構造までが再現された「カットモデル対応型」。
まるで「模型の箱の中に戦場情景が詰まっている」かのような密度を持っています。
4体の搭乗兵フィギュアも含め、作り手の想像力を刺激するパーツ構成は、当時としても意欲的でした。
そしてなにより、6メートル超の“牙”を持つPak43 L/71を、1/48スケールでここまで静かに、誇らしげに表現したキットはそう多くありません。
象という巨大な存在を、ただの大きさではなく“重さ”で語らせる模型――それがこのエレファントです。
かつて私も、イタレリの1/35キットでこの車両を製作しました。
ウェザリングに何日もかけ、目立たせず、強調せず、ただ“そこに在る”ように汚すことを目指していました。
バーリンデンのような劇的な汚しが苦手だった私にとって、「静かに語る模型」の理想像が、この車両にはあったのです。
戦車の重量感と模型の静謐、その両方を味わいたい方に、ぜひ手に取っていただきたい逸品です。