
ヤマハのブックシェルフ型スピーカー「NS-10M PRO」です。
大ヒット作"テンモニ"こと「NS-10M」の改良版。
※ 本ペアの片方は、ツイーターユニットが後年交換されています。よって、厳密にはマッチドペアではありません。
以下の整備を施しています。
・ ウーファーオーバーホール
・ コンデンサの交換
・ 配線の引換え&直結化
・ バインディングポストの交換
・ キャビネットの一部再塗装
ウーファーを分解整備しています。(写真9枚目上)
- ダンパー(クモ)の張替え
- クロスエッジの張替え
- コーンの漂白
内部のコンデンサを交換しています。(写真9枚目左下)
HPF用はJantzenAudio製フィルムコンデンサと電解コンデンサの併用、LPF用はParcAudio製電解コンデンサを採用。
静電容量はオリジナルと同等です。
内部配線をすべて引き換えています。
ウーファー用は手製したツイストケーブル、ツイーター用はJVC製OFCダブルコード。
ラグ板を廃止した直結配線とし、必要最小限の信号経路となっています。
バインディングポストを換装しています。(写真7枚目右上)
キャップはブラック塗装の薬きょう型で、プラグの根元までしっかり入る大型タイプ。
キャビネットは、天面と底面、両側面の計4面を再塗装しています。
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外観は、再塗装した面は細かい傷が消えていますが、底面をはじめ、深めの傷は残っています。(写真4~6枚目)
前面ネットに穴や破れはありません。
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音響の現場で小型モニターとして活用され世界的に有名となったテンモニの2代目です。
ユニットの見直しにより、特有の耳につく高音域の抑制が図られています。
以降数代リニューアルするものの、テンモニの音としてはこれが完成形とみなすのが通例のようです。
整備は、ウーファーを中心とした劣化部の修繕です。
劣化により硬くなっていたダンパーを交換。コーンの漂白はセルロースの溶解を最小限に抑える酸素系漂白剤を使用。
傷の多かった外観は、研磨と塗装でだいぶ和らいでいます。
そのほか、ツイータードームの清掃とグリルネットの凹みの修復などもしています。
いまだ需要の衰えぬ本機。この機会にいかがでしょうか。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/密閉型
・ 寸法:215W x 382H x 199D mm
・ 重量:6kg/1本
・ 再生周波数帯域:60Hz~20kHz
・ インピーダンス:8Ω
・ 出力音圧Lv:90dB/W/m
・ 許容入力:60W