
この楽器はFrenchのストラディ型のものだったのですが、Guarneri Del Gesuのデータ通りに改造したものです。音は元の音とは全く違う鋭くよくとおる音になりました。参考までに板の厚さのチャートのアップしておきました(ここにはバックのみ)。
ネックブロックをなくして、ネックそのものにリブをはめ込み接着、Fホールを拡大、ネック角度を最適に(現存のオールド楽器はたいていネック角が大きすぎてモダン楽器のようになっています)
弦高は低く、高いポジションのネックとの距離は広く、等々です。
おおよそ半年かかりましたが、結果はなかなか効果的でした。元の音質というのは少し残るようですので、満足できないところもありますが、完成度は高いと思います。
頑丈な(重いですが)ファイバーのケースが付属します。
(2025年 7月 31日 15時 35分 追加)小生がガルネリ(デルジェス)にこだわっているのは。当該のラベルのある楽器をふとしたきっかけから入手して以来です。
それまでは、普通にストラディやガダニー二、ガリアーノなどの18cくらいの楽器が良いものであると考えていました。
で、その楽器を弾いてみて明らかな違いを感じました、それからは様々な試行錯誤の末、そっくりな形状にすることによって。かなり再現ができると考えました、デルジェスのものはそういう性格を持っているようです。
そのせいでストリオーニをはじめとする、ガルネリタイプの作家が多数出たのではないかと思います。ロッカ、vuillaume etcです。
当該の楽器からわかったのは、ネックブロックがない、ネックの高さと角度が全く普通でないということなどです。そしてそれを再現したものが出品中の楽器です。
ストラディの音とデルジェスの音が違うのは,前者が音色の美しさとそれが演奏に及ぼす影響ということではないかと思います。そして後者は、音色ではなく音が空間に伝わる力とやはりそれが演奏にどのような力を与えるかという点だと思います。
演奏家で言いますと もちろんパガニーニ(これは聴けません)そしてヨアヒム(これは演奏が残っています)クライスラー ハイフェッツ、スターンなどがデルジェスを用いていたようです。
これらの奏者たちに共通するものは「力」パワーです。 このことと楽器の構造、つまりネックブロックがないなどの点は密接に関係があるように思えます。
弾いた印象では左手の指先に非情に強いヴァイブレーションを感じそれが音程に強い影響を与えるということですこ。れはネックの構造からくると思われます。
ヴァイオリンの演奏というのは右手で作られる音楽という印象がつよいのですが。この種の楽器では左手の力もかなり強いものだと思います。
散漫な文章ですがこのような点が問題になっています。