野間仁根（1901年2月5日生まれ、1979年12月30日没）は愛媛県出身の洋画家で、一陽会創立会員。1925年に東京美術学校西洋画科を卒業し、1924年第11回二科展に初入選、1928年「夜の床」で樗牛賞、1929年「ぜ・ふうるむうん」「友達」で二科賞を受賞し、二科会員として活躍。戦後、1955年に鈴木信太郎らと二科会を退会し、一陽会を結成し、同会の主要作家として活動を続けた。きらびやかな色彩と骨太な筆触によるユーモラスかつ幻想的な画風を確立し、新聞連載小説の挿絵も多数手掛けた。また、画壇屈指の釣り師としても知られ、『香馬先生釣日記』などの著書を残した。

野間仁根「外房海辺 日の出」油彩 0号
「外房海辺 日の出」は、野間仁根が持ち味とした鮮烈な色彩と力強い筆致で描き出した印象的な風景画です。真っ赤に燃える朝日が外房の海面に姿を現し、空は黄色から橙、赤へと移ろい、青紫に輝く大海原を染め上げています。手前には緑濃い木々や鮮やかな大地がリズミカルに配され、自然の息吹と日の出の高揚感が画面全体に満ちています。厚塗りの質感と躍動感あふれるストロークは、写実を超えて自然をユーモラスで幻想的な世界へと昇華させており、観る者に新しい一日の始まりの力強さを感じさせます。

野間仁根（1901-1979）は愛媛県出身の洋画家で、一陽会の創立会員。二科展での受賞を経て戦後は一陽会の主要作家として活躍し、きらびやかな色彩と骨太な筆触による独自の画風を確立しました。その作品は、生命力と親しみやすさを併せ持ち、時に幻想的な趣を帯びています。本作もまた、外房の海辺に昇る朝日を題材に、野間芸術の真髄ともいえる鮮やかな色彩表現が存分に発揮された一枚です。