1995年名古屋CBC画廊を始め、各地の画廊で個展、賞賛を浴びる、1997年国際美術交流展（日本、韓国、中国）グランプリ受賞、1997年国際文化交流　功労特別大賞受賞　アーチスト大賞受賞、1998年ニューヨーク展グランプリ受賞、1998年アートジャーナルフランス大賞受賞、1998年「モナコ政府主催」の民間文化大使として出席、皇太子に絵を贈呈、1999年国際芸術文化勲章受賞

人見友紀「パリの花市場」油彩 20号 大作 共シール
本作は、波乱に満ちた人生を歩んだ画家・人見友紀（1940-1999）による代表的な風景画のひとつです。舞台はパリの街角に開かれた花市場。石畳の広場を彩るのは、白や黄、橙、赤、桃、紫といった色とりどりの花々で、前景から画面奥へと広がるように咲き誇り、観る者を鮮やかな香りの世界へと誘います。パラソルの下で花を売る人々や、通りを散策する市民の姿は、都市の暮らしの穏やかさと活気を同時に表現しています。並木の緑と古い建物がつくり出すヨーロッパ特有の街並みは、遠近法によって奥行きを強調され、花市場の賑わいが自然に視線を引き込みます。

人見友紀は「逃亡画家」とも呼ばれた波乱の経歴を持ちながら、異国で画家としての才能を開花させ、鮮烈な色彩と柔らかな筆致でヨーロッパの光景を描き続けました。その眼差しは、自由や人々の営みに寄り添い、生命の輝きをキャンバスに定着させています。「パリの花市場」は、作家の人生の光と影を超えて、観る者に喜びと安らぎを与える作品です。華やぎに満ちた色彩の中に、彼が異国で見出した希望と生命への賛歌が響いています。