Brand: Paolo Gucci
Circa: 80s
Color: Grey

Gucciの歴史の中でも徒花のレアピース。
1980年代、Gucci創始者の孫であり、その血統を正当に引き継いだデザイナー Paolo Gucci。
Gucciの迷走と泥沼の歴史の只中を象徴するアイテムです。

1980年パオロ・グッチは父アルドと叔父ロドルフォに無断で「グッチ」の名を使った事業を始めたため、同年グッチ社から解雇されました。
のちに復讐として彼は従弟マウリツィオの協力で父アルドを会社から追放、さらに父の脱税をIRSに密告。1986年に父アルドを有罪へと追い込みます。
その後パオロは1987年にグッチ株をインベストコープへ売却しましたが、離婚や経営の失敗により1993年に破産。
この出来事は映画に詳しいですね。

そんな彼の自身名義のアイテムがこちら。ライセンスではなく本ラインです。
実際に彼は70年代にはGucciのデザイナーを務めており、映画で描かれたような最悪なセンスといった印象はありません。当時の本人着用の広告にも使用されておりお気に入りだったのではないでしょうか。
グレーのウールフランネルを用いたダブルブレスト仕様で、シルエットや芯地の使い方はトラディショナルな英国調テイストを感じさせる端正な一着です。
柔らかな起毛感と張りを両立した上質なフランネルは、当時のイタリアンテーラリングが誇る最高峰の素材感。
シェイプの効いたウエストライン、やや広めのラペル、構築的なショルダーが特徴で、モダナイズされたクラシックにも自然に馴染みます。
サイズ46で、日本サイズM〜L相当。肩や身幅に程よいゆとりを持ちながらも、ボディラインを美しく引き立てる絶妙なバランス。フロント裾とバック裾に若干虫舐め、ボタンのエマイユの一部剥がれはありますがその他非常に状態良好。
入手困難なアーカイブピースでありながら、現代的なスタイルにも無理なく馴染む当時のグッチらしいクオリティが十二分に高い逸品です。

誰が欲しがるかわかりませんが誰かは欲しいのではないでしょうか。お薦めするとかしないではなく面白いアイテムですね。

実寸(cm)
肩幅46
身幅52
袖丈60
着丈76

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