「Sede Vacante（セデ・ヴァカンテ）」とは？

「Sede Vacante」はラテン語で「空位の座（空位の教皇位）」という意味です。これは教皇が亡くなった後から次の教皇が選ばれるまでの期間に発行される特別なコインです。この1958年のコインは、教皇ピウス12世（Pius XII）の死後、教皇ヨハネ23世（John XXIII）が選出されるまでの間に発行されたものです。

表面

教皇庁の紋章：中央には、天国の鍵（聖ペトロの鍵）が交差した上に教皇の三冠（ティアラ）が載った、教皇庁の紋章が描かれています。

周囲の銘文：SEDE VACANTE MCM LVIII」の文字が刻印されています。「SEDE VACANTE」はラテン語で「空位の座」を意味し、教皇が不在の期間を示します。「MCM LVIII」は発行年である1958年を表しています。

裏面 

聖霊の鳩と光線：中央には、聖霊を象徴する鳩が光線を浴びながら降臨する様子が描かれています。周囲の銘文: 上部には「VENI SANCTE SPIRITUS」（来たり給え、聖霊よ）、下部には「STATO DELLA CITTA DEL VATICANO L.500」（バチカン市国 500リラ）の文字が刻印されています。

1958年の教皇空位：1958年の教皇空位は、教皇ピウス12世の死去に伴い発生しました。ピウス12世は、第二次世界大戦後のカトリック教会を指導し、多くの重要な教令を発布したことで知られています。

ヨハネ23世の選出：この教皇空位の後、コンクラーヴェ（教皇選挙会議）が開かれ、1958年10月28日にヨハネ23世が新しい教皇として選出されました。ヨハネ23世は、第二バチカン公会議を提唱し、カトリック教会の近代化に大きく貢献しました。このコインは、激動の時代における教会の歴史の一幕を伝える貴重な証拠と言えます。