このコインは、1873年にスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの三国間で結ばれた「スカンジナビア通貨同盟」に基づいて発行されました。同盟では、各国が共通規格の金貨(10クローネおよび20クローネ)を発行し、三国内で相互に法定通貨として流通させることが決められていました。これにより、国境を越えた商取引や経済活動の円滑化、為替の安定を図ることが目的でした。
さらに、1901年はスウェーデンとノルウェー、ノルウェーとデンマークが、相互の銀行券を平価で法定通貨として受け入れる協定を結んだ年でもあり、通貨同盟の完成と深化を象徴する時期でした。
表面には、スウェーデン国王「オスカル2世(Oscar II)」の右向き肖像が大きく描かれています。肖像は写実的で、王の威厳や品格を感じさせる精緻な彫刻が特徴です。髭をたくわえ、落ち着いた表情で描かれております。肖像の周囲には「OSCAR II SVERIGES OCH NORGES KONUNG(オスカル2世 スウェーデンおよびノルウェー王)」という銘文が刻まれています。これは当時スウェーデンとノルウェーが同君連合であったことを示しています。下部には発行年「1901」が入っています。
裏面には、中央にはスウェーデン王家の紋章(大紋章)が描かれています。盾の上部には王冠、その下には三つの王冠(スウェーデンの象徴)、盾の左右には獅子などが配され、王家の威厳と伝統を表現しています。紋章の背後には王のマント(マント・オブ・ステート)が大きく広がり、王権の象徴である王笏や宝珠もデザインされています。紋章の下部には額面「20 KRONOR」と記されています。 1901年スウェーデン20クローナ金貨は「資産」「コレクション」「歴史」「美術」「信頼性」「流動性」すべてを兼ね備えた、非常に魅力的なアンティーク金貨です。