内容
● 近年「健康危機管理」についての関心が高まっており、新カリキュラムで、も強調されたことをふまえ「第5章健康危機時の管理」を新たな章として追加しました。災害時の保健師活動だけではなく、災害発生前から、回復期の保健活動までおさえた、実践を意識した解説となっています。
● 保健師活動の基本には、地域で生活する人々の健康問題にアプローチし、病気や障害をもたない暮らし、あるいは病気や障害をもっていても暮らしやすい地域にするという地域看護活動があります。本書『公衆衛生看護管理論Jでは、その方法として保健師の行う地域診断、保健福祉計画の策定、予算化、そして実施・評価までを具体的に記述しました。
● 保健師が行う地域診断の実際を通して、地域の特性や地域住民のニーズの把握方法、そして施策化までを詳述しました。地域診断から事業化までが具体的にイメージできます。
● 自治体の行う保健福祉事業計画の策定と予算化のしくみ、さらに実施から計画の評価・見直しを取り上げ、その流れにおける保健師の役割を学習します。
目次
第1章 地域診断
1 地域特性の把握
A 地域診断の概念 B 地域診断の過程
2 地域集団の特性の把握(地域診断の実際)
A 地域診断の方法 B 地域概要の把握 C 地区視診 D 地域を歩いて知る E 各種実態調査 F B町の健康課題 G B町の健康増進
第2章 事業計画と保健師の役割
1 活動目標・事業計画の策定
A 保健活動における計画 B 事業計画の策定のプロセス C はじめての計画づくり〈事例〉 D 保健師活動の必要量
2 事業計画の見直しと評価
A 計画の達成状況の確認 B 施設内での看護管理と地域看護管理
第3章 保健福祉計画の策定と予算
1 地方公共団体における保健福祉対策
A 地方公共団体の位置づけと種類 B 保健福祉の事業計画と評価
2 予算のしくみ
第4章 公衆衛生看護管理
1 公衆衛生看護管理の特色
A 看護管理の定義 B 施設内での看護管理と公衆衛生看護管理
2 公衆衛生看護管理の基本となるもの
A 地域における保健活動・在宅ケアなどの方向づけ B 公共的なサービス提供体制の整備 C コミュニティの健康水準の向上へ向けた提言 D 基本的人権(健康権)の保障 E 職業倫理 F 専門職としての成熟を図ること
3 公衆衛生看護管理の諸相
A 情報管理 B 組織運営・管理 C 事業・業務管理 D 予算管理 E 人事管理・人材育成 F 地域ケアの質保障
第5章 健康危機時の管理
1 健康危機管理とは
2 健康危機管理の体制整備と平常時の活動
A 予防策(防災計画) B 危機管理体制の整備 C 大災害に備えた保健活動の体制 D 各自治体での災害防止のための平常時の活動
3 災害発生時の保健活動
A 初期の保健活動(1) B 初期の保健活動(2) C 被災後の経過に沿った保健活動 D 自然災害時の保健活動の実際:新潟県中越大地震 E 災害発生後から回復期の保健活動
第6章 地域ケアシステムづくり
1 地域ケアシステムとは
A 組織・機関 B 地域ケアシステム
2 地域ケアシステムの構築
A 地域ケアシステムの発展過程 B ネットワークの形成とシステムづくりの実際
3地域ケアシステム構築のポイント
A 問題の気づき・発見のポイント B 話し合いの場のポイント C メンバーが所属する組織・機関でのポイント
4 ケアシステムの構築に求められる資質