鈴木 松年（すずき しょうねん）
本名：鈴木 謙（すずき けん）
生没年：1848年7月14日（嘉永元年6月14日）〜1918年1月29日（大正7年）
出身地：京都・東洞院錦小路
幼名：百太郎
初号：百僊（百仙） → 32歳頃より「松年」と号す
略歴と活動
父は鈴木百年、鈴木派の祖。
弟に鈴木百翠、鈴木万年。
若年期は豪放な性格で、喧嘩好きな一面もあった。
画業の実力を証明するため、22歳で千枚の席画会を企画・成功。
東錦楼を開設し画業を本格化。
曾我蕭白や岸駒に私淑。
28歳の頃、富岡鉄斎と交流開始。
以後たびたび訪問。
32歳で「松年」と号し、父を超える志を抱く。
教育者としての功績
1881年（明治14年）、京都府画学校の副教員に就任（北宗担当）。
生徒の人気が高く、教育者としても高い評価を得る。
上村松園の最初の師としても知られる。
展覧会・受賞歴
内国絵画共進会や博覧会で褒状・銅賞など多数受賞。
シカゴ万国博覧会（1893年）、パリ万国博覧会（1900年）など海外展でも評価。
『松年画譜』刊行（19031904年）。
晩年と信仰
晩年は「鶴寿軒」と称する大画室を構え、京都画壇の重鎮となる。
相国寺・日泰寺などに仏画を大量に奉納。
永観堂に画仙堂を寄進。
天井画は息子・松僊が手がけた。
**1918年1月29日没、享年71。
**墓所は京都・長楽寺。
人柄と逸話
幸野楳嶺との確執、今尾景年との確執などが伝えられる一方、
信義に厚く、楳嶺の訃報には真っ先に弔問するなど情深い一面も。
豪放磊落な性格から「今蕭白（いましょうはく）」と称される。
主な弟子
鈴木松僊（長男）、上村松園、土田麦僊、海外天年 ほか
ただし鈴木派は松年没後急速に勢いを失った。
作風
墨線を強く引いた豪快な筆致、たらし込み技法も使用。
松を描いた作品が多く、大津絵も好んだ。
京都の旧家には今なお松年の作品が多く残る。
表具寸法（軸先含む）★約70×218
本紙寸法★約51×128
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