■概要
明治期の滝川造による、雉と菊図が描かれたアンティーク・ジャグ(ピッチャー)です。
本作は丁寧なハンドペイントにより、野辺に咲き誇る菊花とつがいの雉が生き生きと描かれ、金彩の縁取りと柔らかな色調が調和する美しい逸品です。
製造年:1890〜1910年頃(推定)
製造国:日本(里帰りアンティーク)
サイン(刻印):滝川造
サイズ(約):高さ15.5cm(蓋含む)、幅14.2cm(取っ手含む)、蓋高さ6.5cm
容量(実測):約500ml
■コンディション
ヒビや欠けは見られず、全体としては良好な状態だと思います。
ただし、蓋の上部に黒点、つまみの金彩に一部剥がれ、取っ手に小さな赤点が見られます。
アンティーク品の個性としてご理解いただける範囲と感じます。
■魅力
本品は明治期に製作された「滝川造」の作品で、日本の自然美と写実性が高いレベルで表現されています。
胴部全体には菊花の咲き誇る野辺と、そこに佇む雉のつがいが繊細な筆遣いで描かれており、その構図はまるで日本画の一場面のようです。
背景には、朧げな山景や蝶が舞い、落ち着いた金彩が絵付けの輪郭を上品に引き締めています。
ジャポニズムの影響下で欧米輸出用に制作されたと考えられる本作は、和製アールヌーヴォーの流れを感じさせる逸品で、滝川造らしい端正なフォルムと手描きの芸術性が魅力です。
観賞用・コレクション用として非常に価値のある一点です。
■アンティーク品についてのお願い
アンティーク品については、次の点についてご了承くださいませ。
・経過年月ゆえの品質劣化(色あせや極小キズ)
・古い年代の製造による凹凸や黒点
・画像の色味はデバイスにより異なります。ご了承下さい。
・作品の魅力をお伝えするため、照明のもと撮影しております。