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* 八重山産黒木(エーマクルチ)の三線を探している方必見です。名工・内間直樹氏により製作された拘りの一丁『ちゃんぐぁー与那』型(ユナー)が入荷致しました。『ちゃんぐぁー与那』とは喜屋武盛朝氏が考案した現代的ユナーの基礎となった型になります。多く三線屋さんがこの型をお手本にしています。真壁からユナーに移行する途中のものなので真壁とユナーの中間型の形となっています。明治時代に思いを馳せて演奏を楽しんで頂けると思います。明治時代から昭和にかけて演奏家の間で有名になったデザインで,その『ちゃんぐぁー与那』を沖縄県在住のオリジナルを所有しておられる方から許可を得て復刻致しました。明治時代に思いを馳せて演奏を楽しんで頂けると思います。内間直樹氏のピシャッとした特徴の良くでた,飽きの来ないデザインです。現在八重山黒木は伐採禁止で,流通していないのが現状で,現在大変貴重な材と言えます。その丸太を四つ割りにした材で完全に乾燥しているため歪みや捻りはありません。材はウジラー模様材です。(ウジラー模様とは,沖縄の方言名でウズラのことで木の模様がウズラの羽や卵の模様がにているのでそう言われています。)独特な模様が特徴で演奏者の目を楽しませるものとなっています。内間氏はウジラー模様が映える様に棹を削り出しました。
* 棹が完成したのは心にあります様に令和七年五月ニ十一日です。長さは唄口から爪裏まで一尺五寸八分で(48cm)全長は天の先から猿尾まで二尺六寸三分(80cm)です。乙,上,五の幅は2.0cm厚みは2.0cmで,断面は卵型で握りやすい用に削られています。棹の重さはカラクイ,歌口,チル(糸),チーガ(胴)を除いて416gで全て完成した総重量は1.3 kgです。又,糸蔵の長さは3.7cmで幅は1.2cmです。
* 八重山黒木とは,石垣,西表またその周辺離島に自生する国産の黒檀になります。外国産の黒檀と同じ種類の木です。クルチと黒檀は,別の種類と思われている方もいますが,方言名でのクルチとは主に八重山産を指しますが,単に黒檀と呼ばれるものは外国産を指します。違いは外国産は自生している地域が熱帯であることや土質の関係で材質が硬い為,楽器にした場合甲高い音になります。それに比べて八重山産は地域が北寄りで四季が有ること,土質や気候の違いから木質が柔くて方言でムチミと言う八重山産の独特の粘りがあります。それで楽器にした場合,音が柔らかく余韻に粘りがある音が特徴です。古典音楽に音質が合うと言う事で王府時代から大変好まれた材料です。
* 黒木とは,柿の実がなる種類の木で芯材が黒色になります。原産国はインドで東南アジア一帯に自生しています。北限が沖縄あたりだそうです。成長が大変遅く芯材が10cm程度になるのに百年かかると言われています。三線の棹材に使える様になるには二百年以上かかるものと思われます。しかし近年乱伐や森林開発で数が激減しており規制がかかってほとんど入って来ませんので在庫があるのみです。それで沖縄では不要になった床柱や庭木を再利用しています。また植林活動も行っています。そう言う訳で国産の貴重となった材で作った三線はこれから数が少なくなるのでこの機会にぜひ入手されることをお薦めします。
* 内間直樹氏は明治の名工である喜屋武盛朝氏(ニックネーム ちゃんぐぁー)から四代目に当たります。三線製作技術がどのように伝えられたか説明させて頂きますと,それは明治時代にまで遡ります。初代は喜屋武盛朝氏と言う名工です。沖縄の三線マニアで年配の方なら、ちゃんぐぁーとニックネームがつくぐらい有名で,その方のお弟子さんが稲福具永氏です。二人とも名工として新聞記事に掲載されました。その稲福氏のお弟子さんが又吉章盛氏です。古典音楽家でもあり弾きやすい温かみのある三線を製作しています。その弟子が内間直樹氏になります。普通の三線屋さんは独学で勉強している方がほとんどですが、先生が弟子に指導して明治,大正,昭和,平成,令和と続いているのは珍しいことだそうです。この三線の棹のタマイの取り方にも名工・喜屋武氏の特徴が良く出ています。明治時代の流れを感じさせる作風となっています。内間氏によると顔のタマイの流れと爪の取り方が自分の型と良く似ていたので驚いたと言っていました。棹の心には作者の直筆サインがあります。内間氏は十九歳から三線製作に携わり三十歳で本格的に三線製作を専業で始め,お客様を師と仰ぎ助言や提案を受け入れることや製作に積極的に電動工具を導入することによってお客様に喜んでもらえる良い作品を作れる様努力しています。内間氏は三線は職人自身が演奏者でなければ作ることは困難だと述べていて何よりも弾き手のことを一番に考え製作し,購入して下さったお客様の笑顔を思い浮かべながらいつまでも手元に置いて大切にしてもらえるように丁寧に作るよう心がけています。普段から気を付けていることは歪みが無いように目を休ませながら作るようにしている事と,三線は楽器なのでテレビなどの情報源から激しいものを見てしまうとどうしても棹作りに影響が出るので本人は見ないようにしている様です。本人曰く「私はまだまだで死ぬまで勉強です。」と述べて,三線製作の奥深さや探究心を大切にしています。
* 塗装工は比屋根良章氏で令和七年六月三十日に仕上がりましたので新品の作品となっています。塗装は塗りが仕上がるままでに材によっては,十工程かかり塗っては研ぎ出しを繰り返すので一ヵ月以上かけて仕上げられます。非常に丁寧な仕事をされる職人さんなので美しい仕上がりとなっています。今回八重山黒木のウジラー模様が映えるようにスンチー塗り(スンチー塗りとは木目をそのまま鮮やかに魅せる透明塗りのことです。)に仕上げました。
* 今回のチーガ(胴)の皮張りは内間氏によってなされたものです。皮は厳選した錦蛇の大粒鱗の新皮で使い込む事で更に良い音に変化するものとなっております。両面本皮一枚張りで張り具合は表が八分,裏が六分となっており, 木枠材は楠木と欅(くすのき)と(けやき)で沖縄の職人さんが製作した物です。,ティーガ(胴巻き)には八重山ミンサー織り,糸かけは上里氏,カラクイはカンプー型です。
* 音色については, 八重山黒木の特徴が良く出た柔らかくて余韻が長い音となっています。内間氏が言うには,この楽器はウージルの音がまるでお寺の鐘ような音がすると言っていました。本張りチーガが良く音を引き出しています。実際の音色はYouTubeにアップさせて頂きましたので,下記のURLから八重山黒木・ウジラー・『ちゃんぐぁー与那』型の音色と,でますのでご視聴する事が出来ます。それからスマホやタブレットのスピーカーには限界がある為イヤホンやヘッドホンなどを利用し視聴されますとより実際の音に近くなりますのでお薦めです。
* 与那城型とは,真壁と同じ時代の人だと言われていて,与那城の作と伝えられています。通常ユナーと言われています。糸蔵が長く野面が糸蔵の端まで一直線で天は糸蔵の先から曲がり棹が太めで,その為太い音が出ます。古典,八重山民謡をなさる方に人気のあるデザインで地元沖縄では真壁の次に人気があります。
* 安心輸送の為新品のアルミハードケースをサービスでお付けして送らせていただきます。棹立ては付属しません。
* オリジナルの製作証明書が付属します。
* 送料込みの価格となっています。
* 最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。お気に召されましたら入札のほうどうぞ宜しくお願い致します。
八重山黒木・ウジラー・『ちゃんぐぁー与那』型の音色
https://youtu.be/p3-E5NHCwHA?si=rbYY63yJicmID2SQ