廃盤
5CD
ブラームス:
交響曲全集
&ドイツ・レクィエム
ジュリーニ指揮
ウィーン・フィルハーモニー
伊ユニバーサル・レストア盤
1987~91年デジタル録音。
交響曲全曲と悲劇的序曲、ハイドン変奏曲、ドイツ・レクィエムを収録。
完全主義者ジュリーニがウィーン・フィルと築き上げ たモニュメンタルなブラームスが、細部の繊細な質感に至るまで完璧に再現されるのは優秀録音の醍醐味。
ムジークフェラインザールならではの深く美しい響き が存分に味わえる素晴らしいセットです。
・交響曲第1番
1991年4月、ウィーン、ムジークフェラインザール
横 の線に重きを置いたブラームス。劇的な緊迫感よりは旋律表現が重視されており、滲み出る情感には独特な魅力が備わっています。特に第2楽章と第4楽章は美 しい仕上がりで、この作品ならではの旋律美が倍化されて迫ってくるような錯覚さえ覚えるほど。トゥッティでも決して汚い響きにならないオーケストラのサウ ンドも見事です。
・交響曲第2番
1991年4月、ウィーン、ムジークフェラインザール
遅いテンポを採用 し、作品の細部に宿る美を徹底的に追求した趣の個性的な演奏。特に第2楽章の深みのある美しさは信じがたいもので、主題の波打つ様子やパッセージの受け渡 しなど、室内楽的表現と管弦楽的表現のあいだを自在に往復するウィーン・フィルの技量はさすがとしか言いようがありません。
9分7秒からのクライマックスは本当に凄い音楽になっていて、ジュリーニの枠の大きさが完璧に生かされた演奏には圧倒されるばかり。 ギュンター・ヘルマンスの捉えたVPOサウンドが骨太で聴き栄えが良いのも美点です。
・交響曲第3番
1990年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール
オープニングの緊迫した雰囲気からもジュリーニの好調ぶりが伝わってきます。鋭利な管楽器群、うなるコントラバス、量感豊かなティンパニと、ウィーン・フィルならではのサウンドが実に立派。
そうしたオケの特質が最もよく表れているのが第2楽章と第3楽章で、多彩な音色で情感豊かに波打つ音楽は素晴らしいとしか言いようがありません。
終楽章では一転、快速なテンポでダイナミックな音楽を構築しており、骨太なカンタービレの果てに訪れる静かで印象的なコーダも、各パートの克明な響き具合が立体的で、冒頭主題による終焉も美しく決まっています。 第1楽章呈示部反復実行。
・交響曲第4番
1989年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール
第 1楽章冒頭から美しいカンタービレを満喫させる名演。オケがオケだけに全曲に頻出するピツィカートも実にセンスがよく、コントラストをはっきりさせるとい うよりは、横の流れを重視したジュリーニの解釈を巧みにフォローしているのがポイント。第1楽章コーダにおけるティンパニの迫力技も聴きものです。
第2楽章はウィーン・フィルならではの濃密な美感が堪能できる見事な演奏で、特に、2分57秒からの美しさはまさにジュリーニ芸術の真骨頂とでも言いたく なる音楽といえ、以下、クライマックスの第2主題再現部(9分10秒から)に至るまで、陶然とするばかりの「美」をたっぷりと味わうことが可能です。
一転して第3楽章は豪壮な迫力に満ち、強大でしかも立体的という、ウィーン・フィル固有のフォルテの魅力を存分に味わわせてくれるほか、ホルンとティンパニの巧さにも感激。
第4楽章も凄い音楽。ジュリーニの息長く絶妙なカンタービレ解釈にひたすら感謝したくなる重厚なソノリティをベースに、室内楽的な弱音部が美しく照射され た名演。 特に、6分37秒からの再現部の驚くべき迫力とスケール感、腰の据わったヘヴィーな音楽づくりは、変化に富む表情を捉えきって申しぶんがなく、 天才としか言いようのないティンパニストのバチさばきと併せて無類の感動を与えてくれます。
・ハイドンの主題による変奏曲
1990年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール
全体にかなり遅めのテンポ設定ですが、変奏曲という作品の性格もあって、その遅さがむしろプラスに作用している場面が多いのが特徴。 主題がどのように変形されているのかが、微視的なスタイル&録音状態ということもあって非常に判りやすくなっているのです。
また、トラック11などに代表される、ウィーン・フィルならではの楽器の音がクローズアップされて面白いのも美点と言えるでしょう。
・悲劇的序曲
1989年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール
交響曲第4番と同時期に収録されているせいか、緊張感みなぎる音楽づくりは共通で、ときに息苦しいまでの濃密なカンタービレが、ウィーン・フィルの美音を得て緻密に立体的に表現されるさまはまさに圧巻。
この作品の魅力の大きな部分を形成する対位法的書法への配慮も万全で、細かな音色変化を可能にするオーケストラと、完全主義者ジュリーニならではの共同作業の成果として、後半は特に聴きごたえがあります。
・ドイツ・レクィエム
ウィーン国立歌劇場合唱団、バーバラ・ボニー(S)、アンドレアス・シュミット(Br)
1987年6月、ウィーン、ムジークフェラインザール
ジュ リーニのカンタービレのセンスが良く生かされた美演。ドイツ系指揮者とは一味もふた味も異なる強調ポイントの相違ゆえか、全体にふっくらと豊かな響きが印 象的で、そのことは第1曲冒頭からすでに明らか。練習番号Bからのハープにも存在感があり、深みのあるシュターツオーパーのコーラスに美しい彩りを添えて います。
第2曲でも激しさよりは壮大さを打ち出しており、スケールの大きなフレーズ処理が際立っています。中間部でもガラッと雰囲気を変えることはせず、統一感があるのも印象的。
練習番号H(9分25秒)からのフーガでも高揚感よりは力強さ・巨大さが圧倒的で、合唱団はさぞ大変だったことと思わせますが、インパクトの方も絶大なので、苦労は十分に報われたものと思われます。
以下、同様の解釈で雄大で美しいドイツ・レクィエムの世界が構築されてゆきます。ソリストも優秀です。
コンディション良好。
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